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5、流入キーワード

 

流入キーワードとは?



流入キーワードとはGoogleやヤフー等の検索エンジンでユーザーが検索して自社サイトへの訪問に至ったキーワードの事を言います。


例えば、あるユーザーがGoogleで「家具 通販」で検索して検索結果ページ上に表示されている自社サイトへのリンクをクリックして自社サイトに訪問してくれた場合、「家具 通販」が自社サイトの流入キーワードになります。



競合調査ツールでの流入キーワードの調べ方


競合調査ツールのシミラーウェブ無料版の「Search」というタブをクリックすると左側に自然検索結果からの流入キーワードが、右側にリスティング広告からの流入キーワードがそれぞれ5件ずつ表示されます。(有料版は料金に応じて500件〜表示されます)


【シミラーウェブ無料版で見た自然検索結果からとリスティング広告からの流入キーワード】



【シミラーウェブ有料版で見た自然検索結果からとリスティング広告からの流入キーワード】



競合他社の流入キーワードを知る意味はとても大きなことです。何故なら競合他社がその流入キーワードで検索ユーザーを自社サイトに誘導しているということがわかり、同じキーワードで自社サイト内のページを上位表示させるようSEOをすることにより自社サイトにも同じキーワードで検索するユーザーを誘導することが可能になるからです。


本来、どのキーワードで上位表示すれば検索ユーザーを自社サイトに誘導出来るかは予測が困難なことでしたが、競合調査ツールの流入キーワードを見ることによってそれがはっきりと分かるようになったということはSEOの世界では画期的なことです。


様々なキーワードで上位表示している競合他社の流入キーワードを調べて自社サイトの目標キーワードを増やしトラフィックを増やすことを目指すようにして下さい。



アクセス解析ツールでの流入キーワードの調べ方


Googleアナリティクスで自社サイトの流入キーワードを調べるには左サイドメニューの:


集客 → 全てのトラフィック → チャンネル


を選択して表示される画面にある「Organic Search:自然検索」をクリックします。



そうすると次の図のように検索エンジンの自然検索結果からの流入キーワードを見ることが出来ます。



流入キーワードランキングの1位が「not provided」と表示されているところの内訳は本章の冒頭で解説したサーチコンソールにある検索アナリティクスを使うと見ることが出来ます。


【Googleアナリティクス内の流入キーワードランキングで1位に表示される「not provided」】



【サーチコンソール内の検索パフォーマンスで表示される「not provided」の内訳であるGoogleからの流入キーワードデータ】




流入キーワードの4つの診断ポイント


このようにして流入キーワードのデータを取得した後にサイトのトラフィックを増やすために流入キーワードのどこを見れば良いかという診断ポイントは:


(1)上位表示を強く意識している目標キーワードがランキングの上位に来ているか?


(2)自社のブランド名がランキングの1位、その他上位に来ているか?


(3)考えられるあらゆるパターンのキーワードがランキングに表示されているか?


(4)ランキング中位、下位にあるキーワードで検索した時にSEOが手薄なページがGoogleの検索結果に表示されていないか?


の4つです。


(1)上位表示を強く意識している目標キーワードがランキングの上位に来ているか?


例えば、自社サイトのトップページを「SEOセミナー」で上位表示を目指していて検索エンジンで上位表示をしている場合、「SEOセミナー」が流入キーワードランキングの上位に来ていればそのキーワードはたくさんの検索ユーザーを自社サイトに誘導出来ているということになります。


次の図は実際に「SEOセミナー」での上位表示を狙い、Googleでの検索順位も高いサイトの流入キーワードランキングです。



反対に上位表示されているにも関わらず流入キーワードランキングの下位に「SEOセミナー」が表示されていたらそのキーワードはサイトの集客にはあまり役に立たないキーワードであると言えます。その場合、集客にあまり役に立たないキーワードでの上位表示は追求せずに、もっと集客力のある目標キーワードを見つけて上位表示を目指す必要があります。


また、検索結果の上位に表示されていない割には一定の流入があるキーワードは、SEOをして検索順位を更に上げることによりより多くのユーザーをサイトに集客することが期待できます。


(2)自社のブランド名がランキングの1位、その他上位に来ているか?


競合他社のサイトと自社サイトの流入キーワードランキングを見る時に一つ重要な見方があります。それは知名度が高く人気があるサイトほど自社ブランド名(会社名や商品、サービス名)での検索が多いという事です。


これは指名検索(Navigational Queries)とも呼ばれるキーワードです。指名検索(Navigational Queries)はクイーンズランド技術大学(QUT)等の調査によると全検索ユーザーの1割を占め、「アマゾン」や「楽天」等企業名やそのブランド名での検索でそこで購入しようとする購買意欲の高い検索ユーザーが検索するキーワードであり、成約率が最も高く経済価値が最も高いものです。


次の図は人気サイトのアマゾン、楽天、価格コム等の上位トップ5の流入キーワードのデータです。




ご覧のように各サイトの上位トップ5の流入キーワードのほとんどがそれぞれの自社ブランド名になっています。


反対にそれほど有名では無いサイトやトラフィックが少なく、売上も少ないサイトほど自社ブランド名で検索されることは少なく、代わりに「家具 激安」や「インプラント デメリット」等の一般名詞での検索キーワードによる流入が多い傾向があります。




競合他社の流入キーワードの上位のほとんどがその企業のブランド名であり、自社サイトの流入キーワードのほとんどが普通名詞である場合は、自社の知名度は低く、未だまだブランディング、PRの努力が足りないことを意味します。


その場合は本書の第3章で解説したトラフィックを増やすための施策を実施してブランディングの強化を努めるようにして下さい。


(3)考えられるあらゆるパターンのキーワードがランキングに表示されているか?


人気サイトの流入キーワードを分析すると様々な種類のキーワードがあるということが分かります。


反対にトラフィックが少ない人気度が低いサイトほど偏った種類のキーワードでの流入しか無い傾向があります。


自社サイトの流入キーワードを分析して次のような様々な種類があるかを確認して、不足しているキーワードの種類を探し新規でそれらのキーワードを新しい目標キーワードにすれば検索エンジンからの訪問者を増やすことが目指せます。


①お金に関するキーワード



このキーワードが特に重要な業種は:


・比較検討先がたくさんあり価格が重要な購買判断基準になる商材


【例】


アメリカ ミネラルウォーター 値段


ウォーターサーバー レンタル無料


ウォーターサーバー 安い


ウォーターサーバー 格安


スパークリングウォーター 激安


・高額商品


【例】


老人介護施設 費用


老人介護施設料金


有料老人ホーム 費用


太陽光発電 パネル 価格


太陽光発電 価格 最新


太陽光パネル 価格 推移


・一般消費者にとって価格が高いイメージでかつ購入経験が無い商材


【例】


裁判 弁護士費用


遺産相続 裁判 費用


離婚裁判費用相場


家庭教師 料金比較


家庭教師 料金表


高校生 家庭教師 相場


です。家庭教師や、太陽光発電等のメインキーワードの後に次のようなお金に関わるキーワードを含めた複合キーワードが多数検索されていることがGoogle上での検索データを公開しているGoogleキーワードプランナーで見るとわかります。



②サイズ・重さに関するキーワード


例:米 通販 10kg、中型 犬種、小型 冷蔵庫、軽量 折りたたみ自転車



③等級・レベルに関するキーワード


例:TOEIC 500点、TOEFLE 600点 難易度、初心者 ギター 練習



④年齢・古さに関するキーワード


例:大学 偏差値 関西、80歳 プレゼント 男性、築50年マンション耐震



⑤地域名・場所名のキーワード


例:関西 観光 温泉、池袋 求人 正社員、六本木ヒルズ 家賃 相場



⑥人物名のキーワード


例:マイケル・ジャクソン アルバム、ケネディー大統領 演説 和訳



⑦企業・団体名のキーワード


例:三菱電機 求人 姫路、大阪商工会議所 入会金


⑧ブランド名のキーワード


例:エルメス バッグ 布、アディダスサッカーボール


⑨商品名のキーワード


例:エルメス バーキン 中古、アディダスサッカーボール5号


⑩品番のキーワード


例:ブラザートナー tn-27j、AC6P-120269


⑪一般名詞のキーワード


例:結婚式、ミネラルウォーター、賃貸マンション、耐震リフォーム


⑫動詞のキーワード


例:ヨーグルト 飲むタイミング、猫 鳴く 理由


⑬形容詞・副詞のキーワード


例:可愛い メイク 奥二重、早く髪を伸ばす方法


⑭ノウハウを知るためのキーワード


例:可愛い メイク 仕方、部屋 片付け方 コツ


⑮質問文・長文


例:東北で一番の高校、軽井沢で美味しい蕎麦屋さんは?


(4)ランキング中位、下位にあるキーワードで検索した時にSEOが手薄なページがGoogleの検索結果に表示されていないか?


Googleアナリティクスの流入キーワードランキングの上の方にはない中位、下位にランキングされているキーワードでGoogleで検索した時に自社のWebページが検索結果1ページ目の下の方だったり、2ページ目以降に表示されている場合があります。


下図は筆者が管理しているサイトのGoogleアナリティクス上での流入キーワードランキングです。



流入キーワードランキングの34位が「ページランク 停止」というキーワードで、Googleでこのキーワードで検索すると検索結果ページの8位に表示されていることが分かりました。



この検索結果8位に表示されているページは特に何かのキーワードで上位表示を目指しているページではありません。そのため特にページランクだとか、停止という言葉を意識的にページ内に書くことはしていません。


それにもかかわらず検索順位が8位であり、かつ流入キーワードランキングの34位だということは、少しだけでも良いのでSEOの内部要素対策を行えば順位が上がりやすいはずです。


簡単な内部要素対策としては次のようなポイントがあります:


①タイトルタグにキーワードが含まれているかを確認して、含まれていなかったら含める


②メタディスクリプションにキーワードが含まれているかを確認して、含まれていなかったら含める


③H1タグにキーワードが含まれているかを確認して、含まれていなかったら含める


④本文に複数回キーワードが含まれているかを確認して、含まれていなかったら複数回含める


⑤すでに本文に複数回キーワードが含まれていても、しつこくない程度にもう少し増やせるかを確認して増やせるようなら増やす


⑥本文の文章が十分書かれているかを確認してもう少し文章や画像を増やしたほうが読者にメッセージが伝わりやすいようならば追加してページの品質を上げる


⑦サイト内にある他のページからそのページにリンクを張った方がサイト訪問者にとって利便性が高まるようならばそのページにサイト内リンクを張る


⑧ソーシャルメディアや外部ドメインのブログでそのページを紹介してリンクを張る


このように何も意識していなかったのにGoogleの検索にかかっていて、かつ自社サイトに訪問者をもたらしているページには少しでも改善すればもっと順位が上がりより多くの検索ユーザーの目に触れ、その結果自社サイトにトラフィックを増やしやすいものです。効率的にトラフィックを増やすためにこうした埋もれた宝を発掘して少しでも磨きをかけてトラフィック獲得に役立てて下さい。



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