2、キーワード調査
企画・人気要素の1つ目の重要ポイントは検索ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを知ることです。それを知ることは人気キーワードを知ることであり、それはそのまま人気サイトを作るためのコンテンツ企画の手がかりになるからです。
キーワード調査ツール
検索ユーザーがどのようなキーワードを検索しているかを知る方法はいくつかありますが最もポピュラーな方法がGoogleキーワードプランナーの活用です。
Googleキーワードプランナー
https://adwords.google.co.jp/keywordplanner
GoogleアカウントのID、パスワードでログインしてキーワードを入力することにより、入力したキーワードがGoogleで前月何回検索されたかを知る事が出来ます。
さらにCSV形式のファイルをダウンロードして表計算ソフトで開くと次のような重要情報を知ることが出来ます:
(1)関連キーワード
(2)各関連キーワードの平均月間検索数
(3)各関連キーワードの競合性(競争率)
(4)各関連キーワードのGoogleアドワーズ広告の推奨入札金額
Googleで検索したユーザーが、他にどのような関連性のあるキーワードで検索したかが関連キーワードです。
例えば前ページの図のようにGoogleキーワードプランナーに「インプラント」というキーワードを入れて検索すると
インプラント 費用
歯 インプラント 費用
歯科 インプラント 費用
インプラント費用比較
インプラントとは費用
インプラント 費用 大阪
インプラント治療 費用
インプラント 費用 相場
などの関連キーワードがGoogleで検索されていることがわかります。
また、それら関連キーワードの平均月間検索数、競合性(競争率)もわかります。競合性は1が最大値で最もGoogleアドワーズ広告の入札において競争率が高く高額な費用がかかることを意味します。
さらにその横には各関連キーワードのGoogleアドワーズ広告の推奨入札金額も表示されるので上位表示を目指す際に高額な競争率の高いキーワードの入札を事前に避けるための手がかりになります。
指名検索
キーワード調査ツールを使い検索ユーザーが検索するキーワードを調べていくと検索キーワードにはいくつかの種類があることが分かるようになります。
それらを分類するための一つの方法が:
(1)指名検索(Navigational Queries)
(2)購入検索(Transactional Queries)
(3)情報検索(Informational Queries)
の3つのグループに分ける分類法です。
(1)指名検索(Navigational Queries)
指名検索(Navigational Queries)はクイーンズランド技術大学(QUT)等の調査によると全検索ユーザーの1割を占め、「アマゾン」や「ヤフオク」等企業名やそのブランド名での検索でそこで購入しようとする購買意欲の高い検索ユーザーが検索するキーワードであり、成約率が最も高く経済価値が最も高いものです。
本をネットで買おうと思った時はGoogleで「本 通販」という普通名詞で検索するのではなく、固有名詞の「アマゾン」で検索するユーザーが増えています。
楽天市場でユーザー登録をしている人ならば「楽天」というキーワードで検索する人は多いはずです。
ブログを書き始めたいと思ったユーザーは普通名詞の「無料ブログ」だとか、「ブログ 無料」で検索する人もいますが、「アメブロ」という固有名詞で検索する人も多いはずです。
これらが事実であるかを確認するには、どのようなキーワードでユーザーがサイトを訪問したかなど調査する競合調査ソフトの「シミラーウェブPRO」が役に立ちます。
データを見ると確かにこれらのサイトを訪問する検索ユーザーはサービス名、または企業名という固有名詞で検索しています。
こうしたサービス名(または企業名)という固有名詞で検索することを
指名検索(Navigational Queries)
と呼びます。
購入検索
購入検索(Transactional Queries)というのはモノやサービスを購入する時に検索するキーワードで例としては「ノートパソコン 通販」、「相続 弁護士 大阪」などのキーワードがあり、指名検索(Navigational Queries)に次いで2番目に成約率が高く経済価値が高いキーワードです。そしてこの種類の検索キーワードは全検索のうち約1割を占めます。
成約率が高いため多くの企業がこの購入検索(Transactional Queries)というキーワードでの上位表示を狙っています。
購入検索キーワードには:
印鑑
表札 通販
インプラント 名古屋
賃貸マンション 港区
不用品回収 横浜
相続相談 東京
整体院 大阪
格安航空券 予約
などがあります。
これらのキーワードは検索ユーザーが自分の問題を解決するための商品、またはサービスを見つけるための検索キーワードなのでそれはそのまま「儲かるキーワード」になることが多く、非常に競争率の高いキーワードであることがほとんどです。そして競争率が高ければ高いほど上位表示が困難になるため高額な広告費用をかけて検索結果ページの目立つ所に表示されるリスティング広告として購入する企業が増えてきています。
情報検索
情報検索(Informational Queries)のキーワードは、全検索数の8割もあります。
ユーザーが抱えている疑問を解消するための検索で通常、企業にとってはお金にならないユーザーが検索するキーワードだと思われることで見過ごされがちなのがこの情報検索(Informational Queries)のキーワードです。
「遺言書の書き方」、「腰痛の原因」のような素朴な疑問を解消するために検索ユーザーが検索するのが(Informational Queries)のキーワードです。
直接的にすぐに売上につながらないキーワードですが、サイトのアクセス数を増やしGoogleによるサイト全体の評価を高めるためには欠かすことの出来ないキーワードです。
SEO成功に不可欠なのがこの情報検索(Informational Queries)のキーワードでの上位表示です。
ビッグ、ミドル、スモールキーワード
検索キーワードのもう一つの分類方法が上位表示の難易度で分類する:
(1)ビッグキーワード
(2)ミドルキーワード
(3)スモールキーワード
の3つの分類方法です。
(1)ビッグキーワード
ビッグキーワードは検索回数も検索結果件数も多い競争率が高く上位表示が困難なキーワードです。
ビッグキーワードには「インプラント」、「インプラント 大阪」「印鑑」、「印鑑 通販」、「相続」、「相続相談」等の比較的短めの単語、または連語で、単一のシングルキーワードのものも、複数のキーワードを組み合わせた複合キーワードのものもあります。
(2)ミドルキーワード
ミドルキーワードは上位表示難易度がビッグキーワードとスモールキーワードの中間程度のキーワードを意味します。
ミドルキーワードには「インプラント 寿命」、「法人印鑑 角印」、「相続相談 札幌市」等があります。
(3)スモールキーワード
スモールキーワードは検索回数が少なく、検索結果件数も少ない最も競争率が低く比較的上位表示されやすいキーワードです。
スモールキーワードには「前歯 インプラント 値段」、「法人印鑑 角印 サイズ」、「相続 順位 兄弟」などがあります。
ロングテールSEO
多くの企業がビッグキーワードでの上位表示を目指しています。しかしビッグキーワードは競争率が高く上位表示が困難なキーワードのため短期間で上位表示することは出来ません。
特に公開したばかりのサイト運用歴が短いサイトの場合はなおさらです。
ビッグキーワードでの上位表示ばかりを目指していると、すぐに結果が出ないのでSEOそのものに嫌気が差したり、人によっては不正リンクを購入して上位表示を目指すという大きなリスクを犯してしまうこともあります。
そうしたリスクを避けて確実にビッグキーワードでの上位表示を達成するための方法論としてロングテールSEOという考え方があります。
ロングテールという概念はクリス・アンダーソン氏が提唱した経済理論でWebを活用したビジネスにおいては実店舗とは違い在庫経費が少なくて済むため、人気商品ばかりを取り扱わなくてもニッチ商品の多品種少量販売で大きな売り上げ、利益を得ることができるというものです。
SEOにこの理論を応用すると、「競争率の激しいビッグキーワードでの上位表示ばかりを追いかけなくても、競争率の低いスモールキーワードをたくさん目標化して上位表示を達成すれば、労少なく効率的に見込み客が自社サイトを見に来てくれる」というものです。
さらには、たくさんの関連キーワードでサイト訪問者が増えているという実績をGoogleが評価し最終的にビッグキーワードでも上位表示出来るようになるという結果をもたらすことが可能になります。
例えば、サイトのトップページを「インプラント」で上位表示させることは短期間では実現できないので、インプラントというキーワードの関連キーワードをGoogleキーワードプランナーで調べて「前歯 インプラント 値段」等のような比較的上位表示しやすいスモールキーワードでの上位表示を初期の目標にします。
いくつものスモールキーワードで上位表示するようになってきたら、次はミドルキーワードである「インプラント 寿命」などのキーワードでの上位表示を目指し、最終的にトップページを「インプラント」で上位表示させるという下から攻めていくボトムアップのSEO戦略がロングテールSEOです。
この手法は一見遠回りのように見えますが、実は本気で商品やサービスを探している検索ユーザーほど「インプラント」のような抽象的なキーワードではなく、「前歯 インプラント 値段」等のようなスモールキーワードで検索する傾向があるので成約率が高いキーワードであることが良くあります。
しかし、それらスモールキーワードの欠点は月間検索数が非常に少ないことです。月間検索数が少ないキーワードで上位表示しても自社サイトを訪問するユーザーは少なくなってしまいます。
この欠点を補うためには月間検索数が少ないスモールキーワードをたくさん発見してそれらのほとんどで上位表示を実現する事です。1つ1つは月間検索数が少なくても、より多くの種類のスモールキーワードで上位表示することで数の少なさを補うことが出来ます。
次のページ:サイトテーマ
前のページ:SEO技術の3大要素