4、ドメイン内ブログとソーシャルメディア
ソーシャルメディアの落とし穴
これまでソーシャルメディアではどのような情報を発信すれば良いのかを解説してきましたが、ソーシャルメディア活用には一つ大きな落とし穴があります。
それはソーシャルメディア上にコンテンツを投稿してもそれらは投稿されたソーシャルメディアサービス提供企業のコンテンツになるので自社サイトのコンテンツの充実には直接的に貢献しないという事です。
本書の第一章で述べたようにトリプルメディア理論ではコンテンツマーケティングを実施出来るメディアは主に3つあり、それらは:
(1)オウンドメディア
→ 「自社メディア」のことであり、自社サイト、自社ブログ、メールマガジン等企業が直接所有して自由に情報発信出来る媒体
(2)アーンドメディア
→ 企業が消費者から評判を獲得するという意味で「Earned = 獲得された」メディアと呼ばれるものでFacebookやTwitter等のソーシャルメディアやアメブロやライブドアブログ等の消費者が運営するブログのこと
(3)ペイドメディア
→ 広告料金や掲載料金を支払うことにより利用できるメディアで検索エンジン連動型広告(リスティング広告)、ディスプレイ広告等の純粋な広告の他、ポータルサイトへの情報掲載、記事広告等も含まれる
の3つのメディアです。
アーンドメディアであるソーシャルメディアにいくらたくさんの情報を投稿しても、それらのデジタル情報はソーシャルメディアサービス提供企業の資産として蓄積されます。しかも、次々に情報が投稿されるためについ最近投稿した自社の大切な情報はタイムラインというソーシャルメディア上の掲示板のようなページの下のほうにおいやられて見つかりにくくなってしまいます。ほとんどのソーシャルメディアユーザーは「今」の情報を見たいために過去の情報を遡って見てくれることはほとんどありません。
ソーシャルメディアに投稿した情報は直接的に自社サイトのコンテンツとしてはGoogle等の検索エンジンは評価しないためにソーシャルメディアばかりに自社の貴重なコンテンツを投稿していると自社サイトのコンテンツの充実という本来の課題をいつになっても解決出来ないというジレンマが生じてしまいます。
現実に、多くの企業がコンテンツ制作にかけられる時間とエネルギーのほとんどをソーシャルメディアに費やしてしまい、自社サイトの更新がほとんどされずに放置されている例が増えてきています。
ソーシャルメディアとドメイン内ブログの使い分け
こうしたジレンマを解消するためにはソーシャルメディアとドメイン内ブログの使い分けをする必要があります。
使い分けの基準としては次の2つが望まれます:
(1)500文字未満の文章はソーシャルに、それ以上のものはドメイン内ブログに
500文字未満の文章はソーシャルメディアに投稿して、500文字以上の文章は自社サイトに設置しているドメイン内ブログにブログ記事として投稿する。
(2)自社サイトのテーマから逸れた内容の文章はソーシャルメディアに
自社サイトのテーマから逸れた内容のコンテンツは自社サイトに設置したドメイン内ブログに投稿するとサイトのテーマが本来のものと変わってしまい検索順位ダウンの原因になるのでソーシャルメディア上で発信する。
ドメイン内ブログとソーシャルメディアのシナジー
こうした基準に沿って、その時その時「この情報はソーシャルメディアで」、「このテーマの情報はドメイン内ブログで」と振り分けていけば、ソーシャルメディアの積極的な活用と、自社サイトのコンテンツの充実がより確実に実現出来るようになります。
そしてドメイン内ブログに投稿した記事を少しでも早く、より多くのネットユーザーに見えてもらうために記事を投稿する度にソーシャルメディアで告知するのです。ソーシャルメディアにはドメイン内ブログに投稿した記事の紹介文を100文字前後だけ書いて、その下にドメイン内ブログの記事ページURLを書いて投稿するだけで良いのです。そうすればより多くのトラフィックを自社サイトにもたらすことが可能になります。
SEOにおけるソーシャルメディア活用の重要性はまさにこの自社サイト上のコンテンツとソーシャルメディアの告知力のシナジー(相乗効果)を実現するためにあります。
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