8、ユーザー環境
ユーザー環境とは?
ユーザー環境とは、サイトを訪問したユーザーの:
(1)ユーザーが所在する場所
国や市町村区名
(2)システム環境
利用ブラウザ、OS、プロバイダー名等
(3)モバイルユーザーの属性
モバイルOS、プロバイダー名、画像の解像度
などのことを言います。
ユーザー環境を知ることにより、ユーザーに最適なWebデザイン、コンテンツ等を提供するための手がかりを得ることが出来、それはUX(User Experience:ユーザー体験)のレベルを向上するために役立ちます。
競合調査ツールでのユーザー環境の調べ方
競合調査ツールのシミラーウェブ無料版では:
(1)Geo
ユーザーの所在する国名
(2)Audience Interests
ユーザーが関心をもつ他のサイト
(3)Similar Sites
類似したサイト
の3つのデータを見ることが出来ます。
この中の(2)Audience Interestsは調査対象のサイトの直接的な競合サイトですので、それらのサイトを注意深く観察して自社サイトを作る時に参考にすることが出来ます。
【シミラーウェブ無料版で表示される3つのデータ 】
アクセス解析ツールでのユーザー環境の調べ方
アクセス解析ツールのGoogleアナリティクスでは自社サイトを訪問したユーザーの:
(1)ユーザー層
ユーザーが所在する場所
(2)システム環境
利用ブラウザ、OS、プロバイダー名等
(3)モバイル
OS、プロバイダー名、画像の解像度
(4)言語
ユーザーが使う言語の種類
を知ることが出来ます。
ユーザー環境の3つの診断ポイント
ユーザー環境の重要な診断ポイントは少なくとも次の3つがあります:
(1)見て欲しい地域のユーザーに自社サイトに見に来てもらっているか?
(2)自社サイトの造りとユーザーの環境にギャップは無いか?
(3)モバイル対応の必要性が切迫しているかどうか?
(1)見て欲しい地域のユーザーに自社サイトに見に来てもらっているか?
①所在地
どこに住んでいるユーザーに自社サイトを訪問して欲しいのか?つまり自社がターゲットとする地域に在住する見込み客が実際に自社サイトに来ているかをチェックします。チェックするにはGoogleアナリティクスの左サイドメニューの:
ユーザー → 地域 → 地域
を選択して表示される国名にある「Japan」を選択します。そうすると下図のように日本国内のどの都道府県に所在するユーザーが自社サイトを訪問しているかがわかります。
例えば、福岡のセミナーの集客が上手く行っていない場合、この表の中のFukuokaを見ると全アクセスのうちわずか3.64%しか無いことがわかります。
対処策としては、福岡のセミナー受講者の声を収集するよう努めてそれをサイト上に福岡という名前と一緒に掲載して福岡に関わるコンテンツを増やすことが考えられます。
外部対策としては福岡のサイトからリンクを張ってもらうために福岡のニュースサイトにプレスリリースを出すことや、福岡のポータルサイトに掲載をすることなどが考えられます。
②言語
次に自社サイトを訪問したユーザーがどの言語を話す人達かを知ることが出来るのが「言語」の項目です。このデータを見るにはGoogleアナリティクスの左サイドメニューの
ユーザー → 地域 → 言語
を選択します。そうすると下図のように言語のリストが表示されます。
この「言語」のデータや「地域」の国別のデータを参考にして自社サイトが多言語化を目指す時はどの国の人達を対象にしたWebサイトを作れば良いかの優先順位を決める時に役立ちます。
また、その国の言語のサイトを作る余力がない時は、その国の有力なサイトに出店して商品を出品することにより売上を増やすことが目指せます。
国内に居ながら海外のサイトで販売するための有力なサイトには:
①アリババ(中国、各国向け)
②Amazon(各国向け)
③eBay(各国向け)
④タオパオ(中国)
などがあり、決済システムや出品をする管理システム等が充実されてきているので利用する価値はあります。
(2)自社サイトの造りとユーザーの環境にギャップは無いか?
Googleアナリティクスの左サイドメニューの
ユーザー → ユーザーの環境 → ブラウザとOS
を見るとサイトを訪問したユーザーがどのブラウザでサイトを見ているかがわかります。
ここで上位表示されている複数のブラウザで見た時に自社サイトの各ページのレイアウトの崩れはないか、動画や、プログラムは問題なく作動しているかを確認するようにして下さい。
(3)モバイル対応の必要性が切迫しているかどうか?
現在のWebマーケティングおいてはスマートフォンやタブレット等を使うモバイルユーザーに最適なUX(ユーザー体験)を提供するためにサイト内の全てのページをモバイル対応することは必須のことになってきました。
しかし、年々B2Bの分野でもモバイルユーザーの比率は増えつつあります。
Googleアナリティクスの左サイドメニューの
ユーザー → モバイル → サマリー
を選択する下の図のようにdesktop(PC)、mobile(スマートフォン)、tablet(タブレット)でアクセスしたユーザーの内訳の比率が表示されます。
【デバイスの比率】
そしてGoogleアナリティクスの左サイドメニューの
ユーザー → モバイル → デバイス
を選択すると下の図のようにスマートフォンの機種、つまりモバイルデバイスの種類のデータも見れます。
【モバイルデバイスの種類】
これらのデータを見ることにより自社サイトを訪問するユーザーがどのようなモバイル環境で訪問しているのかを知り、彼らが問題なくサイトを閲覧できるようにサイトを作るための手がかりとして活用して下さい。
このようにアクセス解析ツールと競合調査ツールの両方を活用することにより競合他社とユーザーの動向を掴み、自社サイトの改善に役立てることが今日のSEOでは求められます。
このトレンドに対応するためには、常日頃から意味のあるデータを蓄積することと、それを有意義に解釈するためのデータ活用のスキル向上と情報収集力が求められます。
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