2、ソーシャルメディアからの流入
被リンク元の数と質という評価基準を偏重してきたGoogleは徐々に方針を転換してリンク以外の外部要素を評価するようになりました。
特に近年上位表示に貢献する外部要素としてはソーシャルメディアという新しい要因が重要性を増してきました。ソーシャルメディアの要因はいいねボタンの数やそこからのリンク効果とは違います。ソーシャルメディアから自社サイトにリンクを張ることは出来ますがリンクの効果はありません。
何故ソーシャルメディアからのリンクをリンクとしてGoogleは評価しないのか、考えられる理由は気軽に誰もがソーシャルメディアを作ることが出来、かつ自社サイトにリンクを張るのは非常に簡単な事なのでそうしたリンクを通常のリンクとして認めてしまうと不正リンクの温床となるからです。
そのためソーシャルメディアの要因はリンクそのものの数や質ではなく、そのリンクをクリックしてリンク先のWebページにユーザーが移動したかどうかを評価するものです。
Googleはソーシャルメディア上にあるリンクの数を直接的に知ることは技術的には出来ませんが、リンクをクリックして発生したサイトのアクセス数をクッキー技術により間接的にある程度知る事が出来ます。
このことはGoogle公式サイトにある「プライバシーポリシー」
https://www.google.co.jp/intl/ja/policies/privacy/
に「Googleは、どのGoogle サービスから収集した情報も、そのサービスの提供、維持、保護および改善、新しいサービスの開発ならびに、Google とユーザーの保護のために利用します。」と述べられていることからもわかります。
下の図は実際にGoogleのプライバシーポリシーのページに書かれているクッキー技術の利用に関する説明文です。
リンクをクリックして発生したサイトのアクセス数をトラフィックと呼びます。トラフィックというのは交通量という意味でWebではアクセス数のことを意味します。
ソーシャルメディアを活用して自社サイトにリンクを張り自社サイトのトラフィックを増やすことにより検索上位表示にプラスに働くようになります。
ソーシャルメディアの代表的なものとしてはFacebookがあります。
Facebookには個人用と法人・団体用の2つの種類があります。
個人用Facebook
これは個人が自分の日々の活動を、お友達登録してくれた他のユーザー達に情報を発信したり交流するために使用されるものです。
ビジネスとして使うことも出来ますが、通常個人が個人的な目的のために使うアカウントです。ビジネスとして使う時でも実名で登録して個人として情報を発信しないと規約違反になることがあります。
Facebookページ
企業や団体として情報を発信するにはFacebookページを作る必要があります。世界の有名企業から街の小さなお店まで現在では無数のFacebookページが日々情報を発信しています。その多くは自社サイトの更新状況と自社サイトへのリンクを張り自社サイトのアクセスを増やすためのものです。
Facebookページに投稿した情報はファンとして登録したユーザーに配信されるので投稿とほぼ同時に自社サイトのアクセスが増える非常に便利なツールとしてSEOにおいても使われるようになりました。
次ページの図は筆者の管理しているサイトの流入元(アクセス元)のデータです。ご覧のようにFacebookページなどのソーシャルメディアからの流入が全体の18.64%にもなっておりその右横の自然検索(Organic Search)よりも多くなってきていることがわかります。
Facebookの次に有効なソーシャルメディアとしてSEOの世界で普及してきているのがTwitterです。Twitterは、「ツイート」と呼ばれる140文字以内の短文の投稿を共有するWeb上の情報サービスでミニブログとも呼ばれています。
自社サイトの更新状況とそのページヘのリンクを投稿したり、商品の入荷状況などをこまめに投稿することにより自社サイトのアクセスを増やすことが出来ます。
下の図も筆者の管理しているサイトの流入元(アクセス元)のデータですがその中のソーシャルメディアからの流入の内訳です。
ご覧のようにTwitterからの流入がソーシャルメディア全体の16.66%もありその上のFacebook 80.35%の5分の1程度を占める重要な流入元になっていることがわかります。
アカウントは幾つも作ることが出来、個人としても企業、団体としても自由に利用することが出来ます。
Google+
Googleが提供しているソーシャルメディアがGoogle+(グーグルプラス)です。Google+もFacebookと同様に個人用と企業・団体用があります。
企業・団体用のGoogle+はGoogleマイビジネスで申込みが出来ます。Google+の特徴は同じGoogleのユーザーIDとパスワードでログインしてYouTube等の他のGoogleのサービスと連携していることです。
また、Google+を活用することによりGoogleの検索結果ページに表示される地図の枠に表示されやすくなったり、そこでの順位アップにプラスに働くのが特徴です。
Facebook同様にサイトの更新情報や企業の活動報告をするために自社サイトにリンクを張ることにより自社サイトの検索順位アップに貢献します。
【個人のGoogle+の例】
【Googleマイビジネスで開設する企業、団体用のGoogle+の例】
LINE@
スマートフォンのアプリには色々なものがありますが、その中でも非常に人気があるアプリがLINEです。
友達同士のコミュニケーションだけでなく、家庭や企業の連絡網としても使われるようになりユーザー数は国内で5200万人(2014年7月LINE 2014年10月-2015年3月媒体資料発表)と増加の一途をたどっています。
Facebookの国内利用者数は2,400万人(Facebookの広告ツール発表による)、ツイッターは1,980万人(eMarketerの2014年調べ)なので2位のFacebookの2倍以上の国内トップのソーシャルメディアなのがLINEです。
そのLINE内でFacebookのように自社専用ページを持てるサービスがLINE@(ラインアット)です。Facebookのようにお友達登録をしたユーザー達に情報を配信することができるので自社サイトの更新情報とそのリンク情報を発信して自社サイトのアクセスを増やすことが可能です。
毎月の情報配信数が1000人までなら無料で使えそれを超えても月額5,000円程度からの利用料金なので手軽に始める事が出来ます。
YouTube
YouTubeは動画を無料配信する動画メディアですが、レビューを書き込むことが出来たり情報を共有化出来ることからソーシャルメディアの1つとして分類されます。
動画をYouTubeのサイトにアップロードすることにより動画の中や、動画の下にある紹介文から自社サイトにリンクを張れるので有効な流入元として活用することが出来ます。
ソーシャルブックマーク
ソーシャルブックマークとは、気に入ったサイトをブックマークに登録して個人的に使うだけではなく、他のユーザーと共有することも出来るソーシャルメディアです。最も人気があるのが「はてなブックマーク」です。米国のメジャーなソーシャルメディアやLINEなどが主流のソーシャルメディアになっている今日でも、はてなブックマークで紹介されただけで爆発的にアクセスが伸びるということが起きています。理由はTwitterなど他のソーシャルメディアと連動しているため情報の拡散力が高いからだと思われます。
その他ソーシャルメディア
これらのソーシャルメディア以外にも国内のソーシャルメディアの草分けであるmixiや海外から次々と新しいタイプのものが国内に上陸するようになってきており今後も自社サイトのアクセスアップとそれによる検索順位アップに役立つものが増えてゆくはずです。
【その他のソーシャルメディア】
・mixi(ミクシイ)
実名登録の必要がない国産ソーシャルメディア。mixiページを活用してファンを増やすことが出来る。
・Instagram(インスタグラム)
スマートフォン等で撮影した写真を加工して共有できる、画像共有サービス。自分が撮影した画像を共有し、お気に入りのユーザーをフォローしたり、評価・コメントを付けたりすることができる。(IT用語辞典 Weblio辞書より)
・LinkedIn(リンクトイン)
2003年5月にサービスを開始した、世界最大級のビジネス特化型ソーシャルメディア
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