２、競合調査ツール

自社サイトのアクセスを解析することは確かに重要なことですが、自社サイトのアクセス解析だけを繰り返すだけでは不十分です。

何故なら自社サイトのアクセス解析は人間の体で言えば健康診断のようなものであり、何度自分の体の健康診断をして血圧や、体重、血糖値等の数値を測ったとしても理想的な数値はどのくらいなのかを知らなければ意味がありません。

理想的な数値を知ることにより初めて自分の体をどのくらいまで改善すれば良いのか具体的な目標が設定出来るのです。

それを可能にするのが競合調査ツールです。

競合調査ツールというのは、競合他社のサイトにどのような流入キーワードでユーザーが訪問しているのか、そしてどのようなサイトやソーシャルメディアからユーザーが訪問しているか、そのデータを世界中の検索ユーザーのパソコンのデータをビッグデータとして収集している企業が提供するソフトのことです。それを可能にするのが競合調査ツールです。

この競合調査ツールを使うことにより検索エンジンで上位表示しているサイトのアクセス状況をかなり正確に知ることが出来ます。それにより自社サイトよりも上位表示しているサイトのアクセス状況を知り、その数値と自社サイトの違いを比較し、上位表示しているサイトの数値との差を知ることが出来ます。

そしてその差を埋めるために自社サイトにどのようなSEOをすれば良いのか、その目標設定をする上で役に立つのが競合調査ツールです。

シミラーウェブPRO

競合調査ツールで代表的なものがイスラエルのシミラーウェブ社が提供しているシミラーウェブPROです。

データは世界の有名インターネットプロバイダーから購入したネットユーザーの行動履歴や、無数の無料ソフトをインストールしたユーザーの行動履歴などを収集、解析して作られたものでクッキー技術を使ったGoogleアナリティクス等のアクセス解析ログでは収集が出来ないデータまでかなりの精度の高さで記録することが出来るものです。

このソフトを使えば自社サイトだけではなく、競合他社のサイトにヤフージャパン、Google、Bing等の検索エンジンからどのようなキーワードでユーザーが検索して訪問に至ったのかを知ることが出来ます。

そして、競合他社のサイトがどのような検索キーワードで集客しているかを知ることにより、自社サイトもそうした検索キーワードで上位表示することによりこれまで以上に自社サイトのアクセスを増やすことが目指せるようになります。

競合他社のサイトへの流入キーワードの他にも、どこのサイトから競合のサイトにユーザーが流入したかという流入元のデータがわかります。

それにより競合他社がどのようなサイトに掲載されてリンクを張ってもらっているのか、そしてそこからどの程度トラフィックがもたらされているのかが分かるので自社も同じところに掲載依頼をすることにより競合他社と同じ流入元を獲得することすらできます。

さらにどこのソーシャルメディアからどのくらいの流入があるのかというソーシャルメディア時代の競争に勝つための重要データも知ることが出来ます。

そしてさらに重要なデータがわかります。それは競合サイトの全世界アクセスランキング(Global Rank)と全日本アクセスランキング(Country Rank)です。

自社のデータと比較することにより自社サイトが競合他社と比べてどのくらいアクセスがあるのか、どのくらい優劣がついているのかがアクセスランキングという決定的な順位の違いによってわかります。

【シミラーウェブPROの流入ソーシャルメディアデータの例】

【シミラーウェブPROのオーディアンス概観の例】

このようにシミラーウェブPROの外観や、閲覧出来るデータはGoogleアナリティクスに非常に近づいてきており、まるで競合他社のGoogleアナリティクスを覗き見しているような感覚になるほどです。

非常に便利なツールですが、利用料金は年額80万円近くかかるために誰でも使うことが出来るツールではありません。

シミラーウェブ無料版

シミラーウェブPROの利用料金は高額ですが、表示するデータの種類や数を限定した無料版ならば誰でも無料で利用できます。

シミラーウェブ有料版は上位500件以上の競合他社のサイトや自社サイトのデータを提供する一方で、無料版は上位5件が見れるようになっています。

【流入キーワードデータ】

【流入元データ】

【流入ソーシャルメディア】

【オーディアンス概観】

アレクサ

シミラーウェブよりも古くから競合調査ツールを提供しているのがアマゾン社の子会社が提供するアレクサ(alexa)です。

アレクサは無料版、有料版があり基本的にはシミラーウェブに近いデータを提供しています。

しかし、アクセス数が少ないサイトはシミラーウェブ以上にデータを見ることがきないという短所があるため競合調査をするというよりは各業界のトラフィックが多いサイトのアクセスランキングを知ること以上のことはほとんど出来ません。

【アレクサ無料版で表示されるデータの例】

次のページ：ツールで注目すべき５つの指標　

　前のページ：アクセス解析ツール