1、ドメイン構造
サイト構造の1つ目の改善余地がドメイン構造の改善です。ドメイン構造には:
(1)ドメインネームの文言
(2)サブドメインの文言
(3)ディレクトリ名の文言
(4)ファイル名の文言
の4つのポイントがあります。
ドメインネームの文言
ドメインネームはインターネット上に存在するコンピュータやネットワークを識別するために付けられている名前の一種でインターネット上の住所のようなものです。絶対に重複しないように発行・管理されており、アルファベット、数字、一部の記号の組み合わせで構成されます。近年では、日本語など各国独自の言語・文字でドメイン名を登録できる国際化ドメイン名も利用できるようになりました。(e-Wordsより)
ドメイン名は4つのレベルから構成されます。
【ドメイン名の構成 】
第3レベルドメインの部分は半角英数だけではなく、日本語を入れる事が出来るトップレベルドメインのドメイン名も販売されており最近では日本語のドメイン名も増えています。
また、トップレベルドメインはその種類によってはco.jpやac.jp等、一定の審査が必要なものもありますが、基本的には先着順で取得する事が出来ます。
Webサイトを開く時は必ず何らかのドメインネームを使う必要があります。
そうすることによってGoogle等の検索エンジンが自社サイトにネットユーザーがアクセスするための住所を登録することが出来るようになります。
誰でも管理料金を払えばドメインネームを持つことが出来ます。自分独自のドメインネームのことを独自ドメインと呼びます。
【独自ドメインの例】
www.suzuki.co.jp
www.chushou-kigyou.com
www.中小企業.info
独自ドメインを持つメリットとしては空きがある限り自由にドメイン名を決めることが出来るので自社の社名や商品名などのブランド名をドメイン名にしたものを持つことが出来るためブランディングに役立てることが出来ます。
そしてSEOにおいてはどのようなドメインネームを使うかによって一定の有利、不利が生じます。
それは、Google等の検索エンジンはドメインネームの中に含まれた文言の意味を理解するように設計されているからです。
例えば、ドメインネームが:
www.implant-chiryou.co.jp
というものならばそのドメインネームの中に
implant = インプラント
chiryou = 治療
という意味が含まれているので、そのドメインネームを使っているWebサイトは「インプラント」、または「治療」について、あるいは「インプラント治療」についてではないかと検索エンジンは推測します。
また、
www.nagoya-bengoshi.com
というものならばそのドメインネームの中に
nagoya = 名古屋
bengoshi = 弁護士
という意味が含まれているので、そのドメインネームを使っているWebサイトは「名古屋」、または「弁護士」について、あるいは「名古屋 弁護士」についてではないかと推測します。
それにより若干程度ではありますが、そのドメインネームを使用しているWebサイトがそれらのキーワードで上位表示されやすくなる傾向があります。
可能な場合はドメインネームを取得する時にそのドメインネームを使って公開するWebサイトが上位表示を目指すキーワードをドメインネームの中に含めるようにして下さい。
サブドメインの文言
しかし、ドメインネームはすでにほとんどの企業が独自のものを取得しておりドメインネームには
www.apple.com
や
www.sony.co.jp
のように企業名やブランド名だけが含まれているものがほとんどです。それは多くの企業がSEOよりも、企業のブランド名のほうを重要視するためにWebサイトが上位表示を目指す目標キーワードを含められることは稀です。
しかも、ドメインネームは一度購入したら途中で変更することは出来ません。どうしてもドメインネームを変更したいならばこれまで使っていたドメインネームを廃止して、新規で別のドメインを取得し直す必要があります。
すでに持っているドメインネームに目標キーワードが含まれていなく、ドメインネームの取得のし直しも出来ない場合に便利なのがサブドメインを設定してサブドメインの中に目標キーワードを含める方法です。
サブドメインというのはドメインネームを構成するパーツの中では最も先頭にある第4レベルドメインのことであり、ドメイン所有者が自由に決めることが出来る部分です。
自動車メーカーの日産自動車は複数のWebサイトを運営しており、サイトのテーマ毎に専門サイトを持っています。そして各専門サイトは以下のように公式サイトのドメインネームの先頭にあるwwwの部分をev、biz、historyというようにサブドメインを設定しています。
【サブドメインの例 】
公式サイト
www.suzuki.co.jp
電気自動車総合サイト
http://ev.nissan.co.jp/
商用車専門サイト
http://biz.nissan.co.jp/
Webカタログバックナンバーサイト
http://history.nissan.co.jp/
これらの中ではevという言葉がサブドメインとして含まれているサイトは検索エンジンがEV(Electric Vehicle:電気自動車)ではないかと推測しやすくなり、historyという言葉がサブドメインとして含まれているサイトは歴史についてではないかと推測しやすくなります。
このサブドメインの部分に積極的に目標キーワードを含めることが1つのSEOテクニックとして使われることがあります。
Googleで「オークション」というキーワードで検索すると検索結果1ページ目に表示されるサイトの中で
auctions.yahoo.co.jp
auction.rakuten.co.jp
auction.ritlweb.com
等3つのサイトがサブドメイン部分に「auction:オークション」というキーワードを含めています。
サブドメイン部分に目標キーワードを含めれば圧倒的に上位表示しやすくなるというものではなく、少しだけ有利になるという程度のことですがSEO対策の打ち手が少ない場合はこうした小さな効果しかないものでも使った方がプラスの方向に導くことが出来ますので検討する価値があります。
ディレクトリ名の文言
ただし、企業によってはサブドメインを使いたくない事情のところもあります。
その場合の代替案としてはドメインネームの後に来るディレクトリ名に目標キーワードを含めるやり方があります。
自動車メーカーのホンダは複数のWebサイトを運営していますが、サイトのテーマ毎に専門サイトを持っており各専門サイトは以下のように公式サイトのドメインネームの後ろにあるディレクトリ名の部分をfleetsales、kids、libraryというように名付けています。
【ディレクトリ名にキーワードを含めた例】
公式サイト
http://www.honda.co.jp/
商用車専門サイト
http://www.honda.co.jp/fleetsales/
子供専門サイト
http://www.honda.co.jp/kids/
ホンダ図書館
http://www.honda.co.jp/library/
このやり方をするとディレクトリ内にあるページがディレクトリ名に含まれたキーワードで若干上位表示しやくなります。
実際にGoogleで「賃貸 京都」というキーワードで検索すると検索結果1ページ目にある10件中8件のWebサイトのディレクトリ名に「kyoto:京都」か「chintai:賃貸」、またはその両方が含まれていることが分かります。
http://www.homes.co.jp/chintai/kyoto/
http://www.athome.co.jp/chintai/kyoto/
http://suumo.jp/chintai/kyoto/
http://www.chintai.net/kyoto/
http://www.elitz.co.jp/chintai/
http://www.apamanshop.com/kyoto/
http://www.eheya.net/kyoto/
http://sumaity.com/chintai/kyoto/
少しでも上位表示にプラスになるようにディレクトリ名には目標キーワードを含めるようにして下さい。
ファイル名の文言
ディレクトリ名と同様にhtmlやphpのファイル名にも目標キーワードを含めると若干上位表示しやすくなります。
Googleで「英会話 中津」というキーワードで検索すると1位に表示されているWebページ:
http://www.applek.com/nakastu.html
のファイル名は「hakatsu:中津」という地名が含まれたものです。
このサイトの運営者は「英会話 中津」という目標キーワードで上位表示するためにファイル名にこのように地名を含めるようにしました。
同じ作者が作った:
http://www.applek.com/chayamachi.html
というWebページにも目標キーワードが「英会話 茶屋町」なので「chayamachi:茶屋町」というキーワードを含めるようにしてGoogleの検索結果で7位に表示されるようになりました。
URLへのキーワードの詰め込みはペナルティー対象になる
以上が、ドメインネーム、サブドメイン、ディレクトリ名、ファイル名等のURL(Uniform Resource Locator:Webアドレス)に目標キーワードを含めるとそうでない時に比べて若干上位表示にプラスになるというSEOについてですが、一つ気をつけなくてはならないことがあります。
それは1つのWebページのURLに同じキーワードを何度も書いて詰め込むと上位表示に逆効果になるということです。
例えば「名古屋 賃貸」で上位表示したいからといって目標ページのURLを:
http://www.nagoya-chintai.com/chintai/chintai-nagoya/chintai.html
だとか、
http://www.nagoya-chintai.com/nagoya/chintai-nagoya/nagoya.html
と書くと同じキーワードが何度もURL内に書かれており見た目として不自然に感じられます。
URL内に同じキーワードを何度も入れて意図的に検索順位を上げようとするのは避けて下さい。
並列型とツリー型
Webサイト内にあるページの階層構造には「並列型」と「ツリー型」の2種類があります。
(1)並列型
→ 並列型というのはトップページであるindex.htmlと同じ階層に他のページを配置している階層構造でそのURLは:
http://www.suzuki.com/index.html
http://www.suzuki.com/reform.html
http://www.suzuki.com/shinchiku.html
http://www.suzuki.com/sekkei.html
http://www.suzuki.com/kouzouchousa.html
http://www.suzuki.com/aboutus.html
http://www.suzuki.com/inquiry.html
http://www.suzuki.com/sitemap.html
http://www.suzuki.com/goaisatu.html
のようなものになります。
(2)ツリー型
→ ツリー型というのはトップページであるindex.htmlがある階層の下にディレクトリを作りその中に他のページを配置している階層構造でそのURLは:
http://www.suzuki.com/index.html
http://www.suzuki.com/reform/index.html
http://www.suzuki.com/reform/toilet.html
http://www.suzuki.com/reform/ketchen.html
http://www.suzuki.com/reform/yokushitu/index.html
http://www.suzuki.com/reform/yokushitu/unitbath.html
http://www.suzuki.com/reform/yokushitu/tile.html
http://www.suzuki.com/shinchiku/index.html
http://www.suzuki.com/sekkei/index.html
http://www.suzuki.com/kouzouchousa/index.html
http://www.suzuki.com/aboutus.html
http://www.suzuki.com/inquiry.html
http://www.suzuki.com/sitemap.html
http://www.suzuki.com/goaisatu.html
のようなものになります。
SEOをする上でどちらの階層構造が有利だということは直接的にはありません。
しかし、ツリー構造のほうがページが整理されているので各ページ内のサイト内リンクもきちんと整理されることがあるため結果的に有利になることがあります。
しかし、並列型であれ、ツリー型であれ各ページ内にあるサイト内リンクがきちんと整理されユーザーにも検索エンジンにも分かりやすくなっていればどちらの階層構造でも上位表示に有利、不利ということはありません。
静的ページと動的ページ
静的ページ
Webページには静的ページと動的ページがあります。
静的ページは、index.html などのように、URL中に指定されたhtmlなどのデータが変化することなくそのまま送信される方式のWebページのことです。
例えば、会社概要や事業内容など、誰が見る場合でも常に同じ内容を表示する場合に使われます。
【静的ページのURL例】
http://www.aaaaa.co.jp/index.html
http://www.aaaaa.co.jp/aboutus.html
(2)動的ページ
PHPや、Perl等のCGIを実行して生成されるWebページの事を動的ページと呼びます。
search.php?q=pentagon などのように、パスと共にクエリと呼ばれるパラメータが要求データとして送信され、これを受信したWebサーバは、スクリプトと呼ばれるプログラムに渡されたパラメータを指定して実行することで結果を生成し、それを応答のデータとしてブラウザに送信する方式のWebページのことです。
(上越教育大学より http://juen-cs.dl.juen.ac.jp/html/www/005/)
Googleは比較的最近まで静的ページは正確にインデックスして理解することが出来る一方で、動的ページは認識出来ないことがありました。しかし近年になり格段に認識力が向上するようになりました。
【動的ページのURL例】
http://www.aaaaa.co.jp/index.php
http://www.aaaaa.co.jp/cart.cgi=?id=1
ただし、それでも動的ページを静的ページに変換することが出来る場合は極力静的ページのほうがややインデックスされやすい傾向が未だあるので、静的ページに変換するようにして下さい。
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