1、アクセス解析ツール
SEOの目的は単に目標設定したWebページの検索順位を上げることではありません。サイトのトフィフィックを最大化することがSEOの大きな目的です。様々な施策を講じたことによりどのような成果が上がったかを客観的に数値化するのがアクセス解析ツールです。
このツールを使うことによりこれまでのSEOの施策の効果がどの程度出たのかを客観的数値により知ることが出来るとともに、今後どのような対策を取れば良いのかの指針を得ることが出来ます。
Googleアナリティクス
GoogleアナリティクスはGoogleが無償で提供しているアクセス解析ツールです。Webマーケティング、SEOの実務者が国内、海外で最も利用している業界標準のツールです。
W3Techsによる調査によるとGoogleアナリティクスは2016年4月現在54.4%の世界シェアを占めています。
このツールを使うことには次のようなメリットがあります:
(1)教材が普及している(書籍、ビデオ等)
→ Googleアナリティクスは国内で最も普及しているためにアクセス解析ツールの解説本のほとんどがGoogleアナリティクスについてのものとなっています。ネット上にもたくさんの解説サイトがあり、セミナーも頻繁に開催されており最も学習しやすい環境が整っています。
(2)他社のデータと比較しやすい
→ 多くのサイト管理者やWeb制作者がクライアントのサイトにGoogleアナリティクスを導入しているため複数のサイトのデータを比較しやすい環境にあります。
(3)Googleがサイトに求める重要指標がわかる
→ 検索エンジンを運営するGoogleが提供するソフトであるために、Googleが重要視しているデータが多数Googleアナリティクスには表示されています。そのためGoogleがサイトに何を求めているかの基準を知ることが出来ます。
(4)Googleが別に提供しているサーチコンソールと連携できる
→ Googleがサイトをどのように評価しているか、どのようにインデックスしているか等を知ることが出来るサーチコンソールという無料ツールとデータを連携することが出来ます。
サーチコンソールとの連携
サーチコンソールは誰でも無料で使えるサイトのインデックス状況(Googleのクローラーロボットによる登録サイト内の情報収集と評価状況)を知ることが出来るツールです。
Googleアナリティクスと連携する部分の1つは「検索パフォーマンス」という機能です。
アクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスではGoogle、ヤフー、Bingのような検索エンジンで検索ユーザーがどのようなキーワードで検索したかを見せてくれる流入キーワードのランキングを見ることが出来ます。しかし、流入キーワードのデータには大きな問題がありました。それはサーチコンソールに自社サイトを登録して連動するためのデータ統合手続をしても解決出来ないものでした。
その大きな問題というのは流入キーワードランキングの1位が「not provided」と表示されており、そこに大半の流入キーワードのデータが隠されていたという問題でした。そのためほとんどの流入キーワードは何かを誰も知ることができなかったのです。
Googleはこの問題を解決するためにサーチコンソール内に新しく「検索パフォーマンス」という機能を追加してこれまで秘密のベールに隠されていた「not provided」とだけ表示されていた大量のキーワードを見れるようにしました。
検索パフォーマンスはサーチコンソールにログインをして左サイドメニューにある:
検索パフォーマンス
を選択すると利用できます。
そのページの画面の上にある、「合計クリック数」を選択するとデータを閲覧することが出来ます。
それだけではなく、サイト内の各ページにどのようなキーワードでユーザーが訪問したか、ページ毎の流入キーワードと訪問者数まで分かるようになりました。
こうしたサーチコンソール内の検索パフォーマンスとGoogleアナリティクスを利用することにより自社サイトに検索エンジンからどのようなキーワードで流入があるかを知ることが出来ます。
流入数が多いキーワードは実際にGoogleで検索すると上位表示していることがほとんどですが、後少しだけSEOをすることにより順位がさらに上がることが多いのでよりたくさんの流入が期待できます。
また、流入数が少ないキーワードはGoogleでの検索順位が低いから流入が少ないことが多いので、そのページの内容を根本的に見直してSEOをすることにより順位が少しでも上がりより多くのユーザーが自社サイトを訪問することを目指すことが出来ます。
その他アクセス解析ツール
Googleアナリティクス以外のアクセス解析ツールとしては:
・リサーチアルチザンプロ
・WordPress専用の各種アクセス解析プラグイン
などがあります。これらは無料版、月額1,000円前後というわずかな月額費用で使うことが出来ます。
大規模サイト向けの有料アクセス解析ツールとしては
・Adobe Analytics(アドビ社)
・Visionalist(デジタルフォレスト社)
・Coremetrics(IBM社)
・Googleアナリティクスプレミアム(Google社)
などがあります。
これら大規模サイト向けのソフトは10億規模のアクセスを処理出来ることやデータの反映時間が早い点とサポートが受けられるため利用料金は月間100万円近くかかります。
費用面、機能面で総合的に最も現実的なためにGoogleアナリティクスが最も普及しているツールであり、SEO担当者やマーケティング担当者はGoogleアナリティクスを理解し、使いこなすことが求められるようになってきています。
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