4、ペンギンアップデートに耐えるSEO
キーワードの詰め込みをしない
ペンギンアップデートでペナルティーを与えられないようにするためにはWebページ内部に過剰にキーワードを書かない事です。
1.同じキーワードをWebページの3大エリア(タイトルタグ、メタディスクリプション、H1)にしつこく書かない
→ 3大エリアはGoogleやBing等の検索エンジンが非常に重視する部分です。そこに過剰に同じ言葉を繰り返して書くと検索順位は著しく落ちることになります。
過剰でなく、かつ上位表示に効果のある適正な書き方は次のようになります:
タイトルタグ、メタディスクリプションには目標キーワードを2回まで、H1には1回までを目指す
【タイトルタグ】
短めの場合は1回だけ
長めの場合は2回まで
【メタディスクリプション】
短めの場合は1回だけ
長めの場合は2回まで
【H1(一行目)】
短くても長くても1回だけ
まで書くようにして下さい。
【良い例】
2. 同じキーワードを本文中に不必要に繰り返して書かない
→ Webページ内に目標キーワードをなるべく多く書くことは上位表示にプラスになります。しかしそこには一定の限度があります。この限度内で目標キーワードをWebページ内に増やすためにはどうすれば良いのでしょうか?それはページの上から下までそのページの目標キーワードが万遍なく書かれ比較的均等に分布された書き方をすることです。
次の図は「腰痛」で検索するとGoogleで1ページ目に表示されるWebページです。
ご覧のようにページの上だけでも、下だけでもなく上から下まで万遍なく目標キーワードである腰痛という言葉が書かれて分布しておりバランスがとれたページになっています。
ページの上ばかりに腰痛が書かれていて下の方にほとんど、あるいは全く書かれていなければそのページは必ずしも腰痛をテーマにしたもので無い可能性が生じます。もしかしたらページの前半は腰痛について書いていたとしてもページの後半は頭痛など別のテーマについて書かれている可能性があるからです。
腰痛をテーマにしたページであることをGoogleにしっかりと認識してもらうには腰痛というキーワードをページの上部、中部、下部に分布させるようにするべきです。
さらに、このキーワードの分布を突き詰めて研究すると上位表示しているページほどページの上の方にたくさん目標キーワードが書かれて、ページの中段には少し書かれており、下段にはより少ない数の目標キーワードが書かれている例が多い傾向があります。
【上位表示しているページに多い逆三角形型のキーワード分布】
反対に、上位表示していないページや、目標キーワードを書きすぎてペナルティーを受けて順位が落とされたページほど目標ページの上のほうに目標キーワードが少ししか書かれておらず、下の方にたくさん書かれている例が多い傾向にあります。
【上位表示していないページに多い正三角形型のキーワード分布】
無論、例外もありますが上位表示しているページと順位が低いページを比較していくうちにこうした傾向があることが分かります。
何故このような傾向があるのかというと、一つ考えられるのは、最初から目標キーワードを明確に1つだけ決めてそのキーワードにテーマを絞ったページを作ろうとするとページの上の方からしっかりと目標キーワードを書き込もうと人間はするからです。
反対に、元々複数のテーマが混在したテーマが1つに絞られていないページは検索順位が低い傾向があるので、そのページの検索順位を上げるために後から目標キーワードを意識的に含めた文章を追加すると目標キーワードを意識し過ぎて追加した文章の中に過剰に目標キーワードを含める傾向があるからです。
こうした理由からキーワード分布の形は不自然な正三角形を避けて、自然な逆三角形型を目指すようにして下さい。
3.画像のALT属性やスタイルシートを使った説明部分にキーワードをしつこく書かない
→ 画像のALT属性部分には画像についての簡単な説明文を書くか、画像の表面に文字が書かれている時はその文字をそのままALT属性部分に記述するべきです。
【画像の例】
【前の画像の表面に書かれている文字をALT属性部分に記述した例】
ALT属性を使わずにスタイルシートを使い画像の表面に書かれている文字を記述することが出来ます。
テキストを画像の背景に書いたり、ブラウザの画面の外に書くやり方です。
【ソース例】
display: none;
visibility: hidden;
text-indent: -9999px;
しかし、Googleは公式サイトにある「品質に関するガイドライン」においてこうしたやり方を悪用しないように警告しています。
悪用かどうかの境目は、不必要に多くのテキストを隠しているかどうかです。ALT属性の記述のルールと同じように、画像の表面に書かれている文字をそのまま記述するのは問題ありませんが、それ以上の文字をその部分に書くのはユーザーには見えない情報を検索エンジンだけに見せて検索エンジンによる評価を不当に高めようとする不正行為だと見做されるので注意をしなければなりません。
4.サイト内のページから他のページにリンクを張るテキストリンク上や画像リンクのALT属性にキーワードを詰め込まない
→ サイト内にある他のページにリンクを張るときにわざと上位表示を目指しているキーワードを過剰に詰め込まないようにして下さい。
例えば、トップページに戻るためのテキストリンクは通常、「HOME」だとか「TOP」などというシンプルな文字でリンクを張りますが、トップページを「リフォーム 横浜」で上位表示したいから「リフォーム横浜HOME」だとか、「横浜のリフォームTOP」というのは過剰な最適化になりますので注意して下さい。
5. 同じキーワードをURLに不必要に繰り返さない
→ 上位表示したいWebページのURLにキーワードが含まれている方がそうでない場合に比べて若干上位表示されやすくなります。
しかし、同じキーワードをWebページのURLに繰り返ししつこく入れることはGoogleが作成した「Google General Guidelines」によるとペナルティーの対象になるということがわかっているので避けるようにして下さい。
【良い例】
www.seitai.co.jp/yokohama/index.html
【悪い例】
www.seitai.co.jp/seitai-yokohama/seitai01.html
質が高い被リンク元だけを集める
Googleは創業以来、被リンク元が多いサイトは人気があるサイトだと評価して検索順位を引き上げて来ました。
しかし、この考え方に限界が生じました。原因は参照という本来の目的ではなく、検索順位を上げるためだけにやみくもに被リンク元の数を増やすという行為が一般化してきたからです。
つまりSEO目的のためのリンクを販売する企業や個人が急増し、それを購入するサイト運営者も急増しSEO目的のリンク市場が世界中に形成されたのです。
被リンク元の数だけではなく、その質を評価する基準をGoogleは年々増やし、不正なリンク購入の効果は徐々に低下するようになりました。質を評価する基準として代表的なものとしては:
(1)ページランク
(2)オーソリティー
(3)クリックされているか
(4)自然なリンクかどうか
があります。
(1)ページランク
GoogleはインデックスしたWebページ1つ1つにページランクをつけています。ページランクは2016年3月まで発表していましたが現在ではその発表を停止しています。しかし、一般には公表していなくても現在でも検索順位算定において使用されていると言われています。
ページランクという数値を活用することにより被リンク元のページランクも考慮されるようになっています。ページランクが低いたくさんのページからリンクを張られているページよりも少数でもページランクが高いページからリンクを張られている方が上位表示する傾向がGoogleにはあります。
(2)オーソリティー
次に被リンク元の質を測る指標としては被リンク元サイトのオーソリティー、つまり権威性があります。ある特定の分野で多くのユーザーに支持されている企業や団体のサイトや、たくさんのファンを抱える人気サイトはその分野で権威があるサイトです。
権威があるサイトからリンクを張られているページの方が、そうではないサイトからしかリンクを張られていないページよりも検索順位が高くなる傾向があります。
(3)クリックされているか
Googleが公開している技術特許の1つに陽性リンクと陰性リンクの判別に関する特許があります。
陽性リンクというのはユーザーにクリックされているリンクのことで通常、陽性リンクはページ内の比較的目立つ部分にあります。一方、陰性リンクはユーザーにクリックされないリンクのことで多くの場合、ページ内の目立たない部分にあります。
このGoogleの特許によると陽性リンクは高く評価され、陰性リンクは高く評価されないということです。
(4)自然なリンクかどうか
自然なリンクのほうが不自然なリンクよりも高く評価され上位表示に貢献します。自然なリンクかどうかを判断する基準をGoogleは多数持っていますが、次のようなものがあることが明らかになっています:
①自然なアンカーテキスト
アンカーテキスト中に記述された内容は自然でなくてはなりません。
アンカーテキストというのは
というように
この部分に「鈴木工務店」というアンカーテキストが書かれるのはよく見られる形ですが、この部分に「工務店 神奈川」と入れるのは不自然です。
何故なら通常、人は他人のサイトにリンクを張るときにサイト名か、会社名をアンカーテキストにしてリンクを張るか、URLをそのままアンカーテキストにしてリンクを張るからです。
【自然なアンカーテキストの例 】
【不自然なアンカーテキストの例】
にも関わらず「工務店 神奈川」と入れてリンクを張るのはあたかも「工務店 神奈川」というキーワードで上位表示を目指しているかのようです。
こうした不自然なアンカーテキストが1つ2つ程度あるなら良いのですが、何十も、何百ものサイトにあればそれはSEOのためだけのリンク対策をしているのではないかとGoogleに察知されて検索順位は上がりません。それどころか、リンクに関するペナルティーを与えられて検索順位が大きく下がる可能性が生じます。
②分散されたドメインエイジ
2012年以前のGoogleは古いドメイン、つまり使用年数が長いドメインで開かれているWebサイトからのリンクを高く評価していました。
そのため古いドメインのサイトからリンクを張ってもらうことが検索順位アップの近道だった時代があります。
その時代には古いドメインのサイトに金銭を支払い自社サイトにリンクを張ってもらうという活動が流行し、当時のSEOは古いドメインからのリンクをいかにたくさん獲得するかという「古いドメインからのリンク獲得 = SEO」という風潮がありました。
しかしこのような事が続くとGoogleの検索結果は古いドメインからのリンクを要領よく購入したWebサイトばかりが検索結果ページの上位に表示されてしまい、検索エンジンの本来の責務である「ユーザーにとって役に立つサイトの順番にする」というものから程遠いものになってしまうという危機に直面しました。
こうした状況から脱却するためにGoogleはリンクの評価基準を厳格化しました。その成果の一つとして古いドメインからのリンクばかりがされているサイトは不自然だと判断するようになったのです。
そしてそれ以降は古いドメインのサイトからのリンクばかりではなく、最近開設された新しいドメインのサイトからもリンクをされないと上位表示されにくくなりました。
上位表示を目指すサイトにリンクを張るサイトのドメインの古さ、つまり年齢(エイジ)を分散する必要性が生じるようになりました。
③分散されたIPアドレス
分散されなくてはならないのはドメインエイジだけではなく、ドメインが置かれているサーバーのIPアドレスもです。
IPアドレスというのは4つのグループから成る数字の組み合わせを「.」(ドット)で区切ったものです。
【IPアドレスの例】
115.146.61.18
214.390.949.18
IPアドレスは数字の羅列であり覚えることが困難なためドメイン名が考案されIPアドレスを対応させて覚えやすくするようにしました。
【IPアドレスとドメイン名を対応付けた例】
182.22.40.240 = http://www.yahoo.co.jp
54.240.248.0 = http://www.amazon.co.jp
IPアドレスの数には限りがあり、全国各地にあるレンタルサーバー会社やサーバーを所有している会社・団体にはそれぞれ少数のIPアドレスが割り振られています。
Google等の検索エンジンはサイトへのリンクを評価する際にたくさんのドメイン名のサイトからリンクをされているサイトを基本的には高く評価します。
しかし、検索エンジンが見ているのはドメイン名だけではなく、ドメイン名とひも付けがされているIPアドレスもです。
1つのIPアドレス、例えば
182.22.40.240というIPアドレスに
http://www.aaaaa.co.jp
というドメインだけなく
http://www.bbbbb.co.jp
http://www.ccccc.co.jp
というように複数のドメイン名をひも付けている場合、
http://www.aaaaa.co.jp
http://www.bbbbb.co.jp
http://www.ccccc.co.jp
の3つのドメイン名のサイトからリンクがされていてもそれら3つのドメイン名は全て182.22.40.240という同じIPアドレスにひも付けがされているので3つのドメイン名からリンクがされているとはGoogleは評価をしません。IPアドレスが同じだということは同じ運営者が運営しているサイトからのリンクでしかないと判断するからです。検索エンジンが高く評価するのは同じ運営者が運営する複数のサイトからのリンクではなく、複数の運営者のサイトからのリンクです。
理由は、そうすることによってより多くの企業や人が支持、推薦するサイトが検索結果の上位に表示されやすくなるからです。
こうした理由から、自社サイトの検索順位を上げるためにサーバーを借りてそこに複数の別ドメインのサイトを開きそれらから上位表示を目指す自社サイトにリンクを張るという支持や推薦のためではないリンクを自作自演することは順位アップにはほとんど貢献しなくなりました。
サイト運営者は自作自演の「形だけのリンク」ではなく、他人から紹介をしてもらうための「真実のリンク」を集めなくてはならないのです。
④ディープリンクが多いか
トップページにばかりリンクされるとリンク対策をしていると検索エンジンに認識されるリスクが高まります。
真に人気のあるサイトはサイトのトップページへのリンクばかりではなく、サイト内にある有益なコンテンツを掲載しているサブページにもリンクが張られているものです。
他のドメインからリンクを張る時、張ってもらう時はトップページへのリンクばかりに偏るのではなく、サブページにリンクを張ってもらうように心がけるべきです。
⑤関連性の高いページからのリンク
Googleはクリックされるリンクを高く評価しますが、クリックされるリンクというのは関連性が高いページからのリンクであることがほとんどです。
例えば、スキーについて書かれているWebページからスキーグッズのネットショップにリンクが張られていれば読者はクリックする可能性が高いでしょうが、どこかの歯科医院のサイトにリンクが張られていたらどうでしょうか?
スキーのコンテンツを求めて訪問してきたユーザーがクリックする可能性は低いはずです。クリックされる可能性が高いリンクを集めるためにもリンク先のサイトと関連性の高いページからのリンクを集めるようにして下さい。
以上が自然なリンクかどうかの判断基準の主だったものです。Googleはこうした基準によってリンクが自然かどうかを判断して不自然なリンクであると判断した場合、リンクされたページだけではなく、そのページがあるサイト全体にペナルティーを与えることがあります。
それにより検索順位が著しく下落して企業に多大なダメージを与えることがあります。そうした事態を避けるためにも不自然なリンクをサイトに張る活動は避けなくてはなりません。
Googleが見ている被リンク元の3つ目の特徴は被リンク元の増加率だということがGoogleの技術特許を分析するとわかります。
何故、増加率をGoogleが見るのかというとペンギンアップデートが実施された2012年以前までのSEOではとにかく被リンク元の数を増やせば検索順位が上がっていた傾向が非常に高かったため、急激に被リンク元が増える理由は過度なSEOをしている証拠になることがあったからです。
急激に被リンク元が増えること自体には問題はありません。多くのユーザーが見たい情報がサイトに掲載されれば検索エンジンを通じて多くのユーザーがそのサイトを訪問します。そしてその情報を他の人達も知ってもらいたいと思った時、サイトを管理しているサイト管理者の多くが紹介をするためにそのサイトにリンクを張ることがあるからです。
ただその場合、単に被リンク元が急激に増えるだけではなく、同時にそのリンクをクリックして訪問するユーザー数も比例して増えるはずです。
しかしSEO目的のためだけにリンクを張った場合、そのリンクをクリックする人はほとんどいません。そのためたくさんのアクセスが発生することはなく、単に被リンク元の数だけが増えるという結果になります。
Googleはこのように被リンク数の増加率とそのリンクを辿って訪問したアクセス数を比較しているのです。
そして被リンク数だけが急に増えてそれに伴ってアクセス数が増えない場合はそのリンクは不正なSEO目的だけのリンクではないかと疑うようになります。
短期間で検索順位を上げるためにはまとめてたくさんのサイトからリンクを張ってもらうことが2012年前までには当たり前のように行われていました。
一定の料金を払えば多数のリンク集に登録してリンクを張ってくれたり、多くのブログで紹介記事を書いてリンクを張ってくれるというサービスがありました。
そうしたサービスを利用すると利用した時だけ一気にリンク元の数が増えます。それ以外の時期にはリンク元の数はほとんど増えません。
Googleはこうした特徴を捉えて不正リンクを集めたサイトを見つけ出しペナルティーを与えるようになった現在、こうしたサービスを使うことは避けなくてはなりません。
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