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2、モバイル版Googleの特性

 

モバイルファーストへの方針転換


こうしてGoogleはモバイルサイトを重視するモバイルファースト主義に移行することになりました。


2018年3月から始まったモバイルファーストインデックスが適用されたサイトは、モバイル版Googleの検索順位もPC版Googleの検索順位もモバイルサイトの内部要素に基づいて決定されます。


1. 全ページのモバイル対応


2. サイトの軽さ


3. モバイルユーザーのトラフィック獲得



全ページのモバイル対応


1つ目の要因はサイトの全ページをモバイル対応しているかどうかです。


これはユーザー視点から見ると当然のことでもあります。何故なら、トップページがモバイル版Googleの検索にかかっていて、それをタップしてページを見た時にそのページは確かにモバイル対応しているのでスマートフォンの小さな画面でも見やすくなっていても、そこからリンクされている他のページが文字が小さくて見づらいPC版ページのままではユーザーの利便性を損なうことになるからです。


このようなユーザーに不便をかけることを避けなくてはなりません。そのためにはサイト内のどのページがモバイル版Googleの検索結果に表示されても良いように、そして検索にかかったページにあるどのリンクをタップしても引き続きモバイル対応した見やすいページが見れるようにサイト内の全てのページをモバイル対応する必要があります。


このことを怠った完全にモバイル対応をしていないサイトをGoogleはそのモバイル版の検索結果ページの上位に表示することを避けて、サイトの全てのページをモバイル対応したWebページを検索結果の上位に表示させる傾向を強めるようになり、その傾向は今後一層強まることが予想されます。



サイトの軽量化


モバイルフレンドリーアップデートが実施されてからのもう一つの明らかな傾向は、ダウンロード速度が早いモバイルサイトが上位表示されやすくなるという傾向です。


このことが明らかになる前にGoogleは何回にもわたってサイトの軽量化の必要性を訴えてきました。


サイトのダウンロード速度を早くするにはWebサイト内で使用している各ファイルを軽量化する必要があります。そうすることにより通信環境が悪い状況でもユーザーがよりスピーディーにサイトを閲覧することが出来るようになり、それはそのままGoogleがユーザーにより良い印象を与えることに直結します。


Google自体がモバイル対応をしてページの表示速度を早くしてもそこからリンクされているサイトのダウンロード速度が遅いためにユーザーが「重い」と感じてしまえばGoogle自体がユーザーを失うことになります。それを防ぐためにこそGoogleはサイト運営者にサイトの軽量化を訴えるようになったのです。



モバイルユーザーのトラフィック


3つ目の要因は、スマートフォンでアクセスするモバイルユーザーのトラフィックが多ければそれだけモバイルユーザーが見たいサイトであると判断してモバイル版Googleで上位表示されやすくなるというものです。


次の表は筆者が運営するサイトの検索順位の推移です。
「Google」と表示されている行がPC版Googleでの検索順位でその右横の「Gスマホ」がモバイル版Googleの検索順位です。



2016年2月までは両方の検索エンジンでの順位は同じでしたがモバイルユーザーのアクセスが下のグラフのように増加するようになりました。


2015年1月にはモバイルユーザーのセッション数はわずか787人だったのが2016年4月には1846人と2倍以上に増加しました。


その結果、モバイル版Googleでの検索順位の方が1位高くなりました。それまでもPC版サイトの全ページをモバイル対応していましたがそれだけではモバイル版サイトの方はすぐに上位表示はしませんでした。しかし、全ページをモバイル対応したことにより様々なページがモバイル版Googleで上位表示してもモバイルユーザーに見やすい作りになっているためサイトからの離脱が起きにくくなりました。


【Googleアナリティクスの モバイル → サマリー のデータ】



また、FacebookやTwitter等のソーシャルメディアでほとんど毎日新しいページを告知して少しずつでもアクセスを増やすことを1年以上継続しました。


こうしてモバイル版Googleを使うモバイルユーザーとFacebook等のソーシャルメディアを使うモバイルユーザーのアクセスを増やすことによりモバイル版Googleの検索順位がPC版Googleの検索順位を上回るようになったのだと思われます。


この事はモバイルユーザーによるモバイル版サイトへのアクセス増がモバイル版Googleでの上位表示に効果があるのかを示すものだと思われます。



AMPで作られたモバイルサイト


2016年初頭にはさらに新しい流れが生まれました。それはGoogleとFacebook等のソーシャルメディア運営企業、そして大手メディア企業の連合体が提唱する「AMP」(Accelerated Mobile Pages:アクセラレイティッドモバイルページ)というオープンソース プロジェクトです。


http://googledevjp.blogspot.jp/2016/02/google-accelerated-mobile-pages.html


AMPというのは一言で言うと現在のWeb技術を使って限界までスマートフォン対応サイトのダウンロード速度を早くするというプロジェクトです。


すでに国内でも大手のメディアサイトや人気ニュースサイトがAMPを実装しており、これまでのモバイル対応サイトとは比較にならないほどのページ表示速度を実現しています。


本書執筆現在では、モバイル版GoogleでAMPを実装したニュースサイトだけが表示される検索順位の比較的上位に設けられたカルーセルと呼ばれるスライド形式で複数のサイトが並列に表示される特別欄に表示されます。


次の図は実際にモバイル版Googleでニュースサイトが表示されることが多い「地震」というキーワードで検索した検索結果画面です。



AMPを実装しているサイトが検索にかかるとAMPのロゴマークである雷のマークが検索結果に表示されるようにもなっています。これによりモバイルユーザーは表示速度が早いサイトであることを予測することが出来て素早くニュース情報を見ようとする時に便利になりました。


ただし、Googleは非公式に「今のところはAMPを実装しただけで検索順位が上がることはない」と発表しています。


しかし、モバイルユーザーの多くがAMPのロゴマークが表示されているサイトは早くダウンロード出来るのでサクサクと見れるということを知るようになったらAMPのサイトはそれだけクリックされやすくなりアクセスを増やすことが可能になることが考えられます。このため直接的ではなく、間接的にAMPを実装することはモバイル版Googleでの上位表示に貢献することが考えられます。


いずれにせよ、極限までモバイル版サイトを軽量化することをGoogleが望んでいることだけは確かです。これまで以上にモバイルサイトの軽量化を追求する姿勢がサイト運営者に求められます。



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