今回は、ウェブ上で生まれたサービスは大きく15種類に分類されるということを解説します。これにはSNSや検索エンジンなどが含まれます。ウェブを活用した集客方法をマスターするには、これら15種類のサービスについての理解が必要です。これを知ることで、自分の会社や事業において、どのサービスを使うことが自社のウェブ集客に有効なのかが見えてくるからです。
それでは、ウェブ上で生まれた多様なサービスについて1つ1つ見てみましょう。
1. ウェブサイト
まず、最初の重要なサービスは何といってもウェブサイトです。
これは一般に「ホームページ」と呼ばれているものです。ホームページとは本来、ウェブサイトのトップページ(表紙ページ)のことを言いますが、日本ではウェブサイトのことを指すことがあります。
今日、企業がウェブサイトを持つことは常識になっていますが、ウェブが始まったばかりのころはそのようなことはありませんでした。
ウェブが誕生した当初(1990年代初頭)ウェブサイトの数は少なく、一部の業種のウェブサイトしか存在していませんでした。そのころのに生まれたウェブサイトの業種は、主に以下のようなものでした:
(1)学術・研究機関のウェブサイト
ウェブの創始者であるティム・バーナーズ=リー自身が、欧州原子核研究機関(CERN)で情報共有のためにウェブを開発しました。初期の多くのウェブサイトは、大学や研究機関によって運営されていました。日本でも慶應義塾大学などインターネットの普及に貢献した大学がまっさきにウェブサイトを立ち上げました。
《1996年当時のスタンフォード大学(左)と慶應義塾大学(右)のウェブサイト》
(2)政府機関のウェブサイト
情報の透明性と公開を目的として、多くの政府機関がウェブサイトを立ち上げました。欧米の中央政府がウェブサイトを最初に立ち上げ、その後日本の中央政府、地方自治体もウェブサイトを公開するようになりました。
《1996年当時の首相官邸(左)と大蔵省(現 財務省)(右)のウェブサイト》
(3)テクノロジー関連企業のウェブサイト
IT企業やソフトウェア開発会社など、テクノロジーに密接に関連する企業が初期の段階でウェブサイトを立ち上げることが多かったです。インターネットの仕組みづくりに参画したネットワーク系の企業や、OSやブラウザを提供する企業がウェブサイトを公開するようになりました。
《1996年当時のネットスケープ社(左)とIBM社(右)のウェブサイト》
ウェブの発展に伴い、その後ウェブサイトの種類は多様化してきました。テクノロジー関連企業のウェブサイトの後に生まれたのは、旅行代理店や留学エージェントのウェブサイトでした。理由はウェブというものが最初から全世界に門戸が開かれたオープンなネットワークだったからでしょう。
その後、人の欲望を満たす産業がウェブサイトを持つようになりました。アダルトサイトやオンラインカジノ、ゲームなどの娯楽関連のウェブサイトです。家庭用のビデオ機器が普及したきっかけがアダルトビデオを見るためだったというのは有名な話ですが、それと同じような力がウェブにも働いたのかもしれません。これらのサイトが開かれた当時はインターネットは怪しいという認識が一般的でした。
現在では、昔では考えられないほど多くの種類のウェブサイトが存在します。ウェブが誕生する前は必ず外出しなければ購入できなかった物品がショッピングサイトを使うことによりいながらに手に入るようになりましたし、車や家などの高額商品を紹介、販売するウェブサイトまでが生まれるようになりました。
例えば、SEOコンサルタントをしている私が最近相談を受けたのは外壁塗装や水回りリフォームのような、身近な生活に関わるサービスのウェブサイトでした。これは、私が1997年にウェブサイトを初めて見た頃とは全く異なる風景です。日常生活に密接に関連するサービスがウェブサイトを通じて提供されているのは、歴史を振り返ると驚くべき変化です。
インターネット統計サイトの「Internet Live Stats」によると、2023年12月31日現在、ウェブには約19億のサイトが存在すると推定されています。この数字は、固有のホスト名を持つサイトの数であり、いわゆる普段閲覧するホームページと言われる有効なサイトの数はそのうちの25%程度となり、5億程度と推定されます。
《出典》Internet Live Stats
ウェブサイトの数は、インターネットの普及とともに急速に増加しており、1995年には約1万8000サイトだったものが、2006年には1億サイト、2014年には10億サイト、そして2023年には19億サイトと、わずか28年間で19億倍に増加しているということです。今後も、インターネットの普及や技術革新、法律の整備により、ウェブサイトの数はさらに増加していくと考えられます。
2. 検索エンジン
こうして急速に増えていったウェブサイトは確かに便利ですが、一つの大きな問題が生まれました。それはウェブのユーザーにとってウェブサイトの数が多すぎて、どこにどのようなウェブサイトが存在するのかがわからないという問題です。一方、ウェブサイトを作る企業側としては、せっかく自社のウェブサイトを作っても、ウェブサイトの数が多すぎるため埋もれてしまいユーザーに見てもらえないという悩みです。
この問題を解決するために、ウェブサイトの情報を整理して、検索することにより自分が探している情報を瞬時に見つけるツールが必要になりました。「検索エンジン」がこのニーズを満たすために開発されました。検索エンジンは、ウェブ上のウェブサイトを目録のように整理し、ユーザーが求める情報にアクセスしやすくします。この概念は、かつてYahoo JAPANなどが得意としていた分野ですが、今はGoogleが世界で最も使われている検索エンジンとなっています。
3. ポータルサイト
ポータルサイトとは、元々「インターネットの玄関口」を意味します。「ポータル」という言葉には「玄関」という意味があります。つまり、ポータルサイトにアクセスすることで、ユーザーはワールドワイドウェブ(WWW)の入り口に立つことができるのです。Googleが登場する前までは、ポータルサイトが非常に人気であり、ウェブ利用の中心的存在でした。BIGLOBE、OCN、MSNサーチ、インフォシークなど、多くのポータルサイトがありましたが、現在ではYahoo! JAPANが競争に勝ち残り、圧倒的な人気を誇る総合ポータルサイトとなっています。
Yahoo! JAPANには、検索エンジンも備わっています。実はYahoo! JAPANの検索エンジンはGoogleの検索結果を利用しています。例えば、「整体 大阪」という言葉でYahoo!で検索すると、表示される検索結果はGoogleのものです。通常、検索結果の一番下に「Powered by Google」と表示されるべきですが表示されていません。
Yahoo! JAPANは自社の検索エンジンの検索結果ページに独自の要素を加える権利も持っています。たとえば、検索結果ページの中にYahoo!ロコという地図サービスを組み込んだり、Yahoo!ショッピングの商品情報を表示することがありますが、これらはYahoo!独自の情報です。また、Yahoo! JAPANは独自に広告を募集しており、これもGoogleが提供するGoogle広告とは異なります。
さらに、Yahoo!知恵袋という人気サービスもあります。その人気の理由の一つは、Yahoo!の検索結果に表示されるためです。通常、Yahoo!知恵袋からのQ&Aが数件表示され、Yahoo!知恵袋へのリンクが含まれます。これにより、ユーザーは簡単にYahoo!知恵袋にアクセスできます。これはYahoo!にとって非常に有利で、検索結果を通じて独自のサービスを育成しやすくなっています。
先程述べたようにYahoo! JAPANの検索エンジンは、基本的にはGoogleの検索結果を使用しています。かつて、2010年まではYahoo! JAPANが独自の検索エンジンを持っていましたが、その性能がGoogleと比べると劣り、かつ毎年膨大な維持開発費がかかるため止めてGoogleのデータを利用するようになりました。その後、多くの人が検索エンジンとしてはYahoo! JAPANよりも、Googleを好むようになり、日本でもGoogleが主流になりました。ソフトバンクの孫正義氏がGoogleの副社長と交渉を行い、Yahoo!グループにとって有利な形でGoogleの検索エンジンを採用し、2010年からYahoo! JAPANは検索エンジン会社というよりは、総合ポータルサイトになったのです。
このYahoo! JAPANが独自の検索エンジンを捨てて、Googleに切り替えた決断が正しかったのかどうかは明らかではありません。しかし、検索エンジンを捨てて、代わりにショッピング、オークション、質問掲示板、ニュースなどあらゆるジャンルの情報が総合的に利用できるという総合ポータルサイトの地位を確立し、国内での影響力を確かなものにしたという点では正しかったのかも知れません。
また、こうした総合ポータルサイトの他に、ジャンル毎にテーマを絞った特化型ポータルサイトというものが利用されています。特化型ポータルサイトには、業種別ポータルサイトの食べログ、ホットペッパービューティー、SUUMOなどがあります。または地域別ポータルサイトのエキテン、Eparkや、求人ポータルサイトのIndeed、タウンワークなどが多くのユーザーに利用されるようになりました。
4. オンラインショッピングモール
オンラインショッピングモールは、楽天や、Amazon、Yahoo! JAPANなどの国内外の大手企業によって提供されています。
最も有名なオンラインショッピングモールの一つは楽天市場です。また、Amazonもオンラインショッピングモールの一つですが、元々は直営のECサイトとしてスタートしました。Amazonは、自社で仕入れない商品も販売するようになり、現在では誰でも料金を支払えば、この巨大なショッピングモール的なプラットフォームに商品を出品できるようになっています。ここでは店を出すのではなく、商品を出品する形式を取っています。
日本におけるオンラインショッピングモールの「御三家」は、楽天市場、Amazon、そしてYahoo!ショッピングです。それ以外にも、ZOZOTOWNのように特定のテーマやジャンルに特化したショッピングモールも存在します。これらは、企業がウェブ上で集客するための重要なサービスとして位置づけられています。
企業の中にはオンラインショッピングモールに出店するだけで、自社サイトを持たないところもあるくらいです。それほどオンラインショッピングモールはウェブで物品を売るための強力な販売手段になっています。
5. ネットオークション
ネットオークション(オンラインオークション)は、特にYahoo! JAPANが運営する「ヤフオク」が有名です。ヤフオクは、ネットオークションの一形態で、ここではショップを持つというよりは、商品を出品してオークションにかけるスタイルが採用されています。基本的な事業モデルとしては、商品を一定期間オークションに出し、最も高い入札をした人に商品を販売するという形です。
多くの企業や個人がヤフオクを利用しており、このプラットフォームは非常に人気が高いです。ネットオークションは、特定の商品を競売形式で販売することにより、市場価値以上の価格で商品を売る可能性があります。このため、特に珍しい商品や限定品を扱う際に効果的な販売手法となっています。
6. 電子掲示板
電子掲示板は、インターネット上のコミュニティフォーラムの一種で、古典的なオンラインコミュニケーションの形態です。かつては非常に人気がありましたが、現在ではマイナーになりつつあります。
代表的な例としては、2ちゃんねるのような一般的な掲示板や、教育関連のインターエデュなどの受験に関する掲示板があります。また、アニメやプログラマー、エンジニア向けの専門的な掲示板も存在しています。これらは昔の言い方で「コミュニティサイト」とも呼ばれていました。
しかし、最近ではFacebookなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に多くのユーザーが移行しているため電子掲示板の存在感は薄れてきています。それにもかかわらず、電子掲示板は今でも存在し、特定の目的やコミュニティにとっては有用なツールです。ただし、ビジネス目的で利用する際には、商用利用が禁止されていないか注意が必要です。商用利用が禁止されいる場合や、商売のことを投稿すると掲示板運営者から投稿内容を削除されることがありますし、他のユーザーから叩かれたり、白い目で見られることも有りうるので気をつけなくはなりません。商用利用が許可されていれば、集客ツールとしても有効に活用できる場合もあります。
7. チャットサービス
チャットサービスは、人と人がテキストメッセージを介して、瞬時に、つまりインスタントにコミュニケーションを取るツールです。最近では、単なるチャットサービスというよりは、SlackやChatworkのようなビジネス向けチャットシステムが普及しています。国内では特にChatworkなどのチャットシステムの普及により、電子メールを使わずに社内のチームや取引先と連絡を取り合うということが一般化するようになりました。
また、オンラインショップや印刷会社のウェブサイトにアクセスした際にも、画面の右下あたりにチャットボットが現れることがあります。これらのチャットボットでは、「何かご質問はありませんか?」「お気軽にご相談ください」といったメッセージが表示され、ユーザーは何か知りたいことや尋ねたいことをタイピングして質問できます。ほとんど瞬時に回答が返ってくるため、まるでリアルタイムで接客を受けているような体験ができます。
8 電子メール
ウェブ上に生まれた15種類のサービスの中でも、電子メールは非常に強力なツールの一つです。電子メールは、その名前に「電子」という言葉が含まれているように、インターネットの初期から存在する古いインフラの一つです。
電子メールには、GmailやYahoo!メールなどの一般的なサービスから、プロバイダーが提供しているOCNやソネットなどのドメインを持つメールアドレスがあります。特に企業の場合は、自社サイトのドメインを使った電子メールアドレス(例えば info@company.co.jp」のような形式)を使用することが一般的です。これらの企業独自のドメインを持つ電子メールアドレスは、集客に非常に有効なツールとなっています。
最近では、電子メールの技術は非常に安定しており、ビジネスコミュニケーションの主要な手段として発展しています。電子メールは、顧客とのコミュニケーションやマーケティング、内部コミュニケーションなど、多くの目的に使われています。
この中でも特に、商品・サービスを購入してくれた既存客に対して適切な内容のメールマガジンを送信することにより、リピート購入やアップセル、クロスセル、口コミなどを誘発し売上を増やすことが可能になります。
9. ブログ
ブログは、非常に強力な集客ツールとして知られています。私自身も2015年頃からブログを本格的に運営し始めた結果、3年後に売上が数倍になったことがあります。ブログの大きな魅力は、気軽に投稿ができ、世界中に公開できることにあります。管理画面にログインしてタイトルと本文を書き、画像を挿入して数回クリックするだけで、誰でも簡単にブログを作成し公開できるのです。
ブログが登場する前は、ドリームウィーバーやホームページビルダーなどのホームページ作成ソフトを使って、厚いマニュアルや難解な参考書を読みながらウェブページを作成するという時代がありました。しかもその作成は時間がかかり、多くの場合は専門家に依頼する必要がありました。しかし、ブログを使うことで、誰でも簡単にメールを書く感覚でウェブページを作成でき、瞬時に公開することが可能になりました。
このブログを普及させたのが、WordPressです。WordPressは無料で利用できるブログ作成システムで、ワープロ感覚でページを作ることができます。オープンソースとして配布されており、お金を払わずに高度なブログシステムを手に入れることができます。さらに、さくらインターネットやXサーバーなどのレンタルサーバーに簡単にインストールし、すぐに使用できるようになるのも大きな魅力です。現在のウェブ集客に成功している企業のほとんどが、ブログを利用しています。WordPressは、No.1のブログシステムブランドとして広く認知されています。
10. 比較サイト・口コミサイト・ランキングサイト
比較サイト・口コミサイト・ランキングサイトとは、それぞれ、複数の商品を比較するサイト、ユーザーからの口コミが投稿されているサイト、特定のジャンルの商品やサービスを評価してランク付けするサイトのことです。これらのサイトはその利便性から非常に多くのユーザーが利用するサイトです。
これらのサイトが人気な理由は、インターネットユーザーが商品やサービスを比較したいという欲求を持っているからです。例えば、異なる車や同じモデルの車であっても、どの店が安いのかを瞬時に比較できることが、コンピューターの強みです。
ウェブが登場する前は、一般の人が店舗や商品に対する感想を知ることはほぼ不可能でした。そうした情報は、専門性の高い雑誌でしか得られませんでしたし、雑誌には限られたページ数しかないため、表現が上手な特定の人たちの意見しか掲載されないことがほとんどでした。しかし、ウェブの登場によって、誰でも気軽に商品やサービスに関する感想を投稿できるようになり、数えきれないほどの口コミが投稿されるようになりました。それによりユーザーは商品・サービスを購入する前に、他のユーザーの評価を知ることが出来るため自分にとって最適な商品・サービスを見つけることが可能なりました。
さらに、これらのサイトでランキングを提供することもあります。例えば、「港区でおすすめのカフェトップ10」などのランキングは、ユーザーにとって非常に便利です。これらのランキングを信頼できると感じれば、多くの時間と努力、そして失敗を避けることができます。多くの人はリスクを避けたいと考えており、ランキングサイトはそうしたニーズに適合しています。自社の商品やサービスがランキングサイトに掲載されれば、多くの人に見られて集客に役立つことが期待できます。このため、比較、口コミ、ランキングサイトは非常に注目されているサービスです。
11. SNS
SNSとはSocial Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、登録したユーザー同士が交流できるインターネット上の会員制サービスのことです。 SNSは、ソーシャルメディアのカテゴリの一部であり、プラットフォーム企業によって提供されるサービスの一形態です。プラットフォーム企業の例としては、Facebook、X(旧Twitter)、Instagramなどが挙げられます。
ソーシャルメディアとは以下の図のように、一方に情報をアップロードするユーザーがおり、彼らは自分の作ったコンテンツをプラットフォーム企業に預けます。他方には、コンテンツを閲覧したい「ダウンロードユーザー」がおり、彼らは情報やコンテンツを受け取るだけで、自分で情報を発信することはありません。
しかし、最近は「ただ見るだけ」のユーザーが自らも情報発信を始め、アップロードユーザーになることが増えています。一方で、依然として情報を受け取るだけのユーザーも多く、この二極化がソーシャルメディアの特徴の一つです。ただ情報をダウンロードするだけでなく、自らもコンテンツを作成し、プラットフォーム企業のサーバーにアップロードすれば効果的な情報発信が可能になります。そうすることで、ダウンロードユーザーがその情報やコンテンツに興味を持ち、最終的には売上につながる可能性が生まれます。
SNSはソーシャルメディアの一部です。ソーシャルメディアとSNSの違いは、ユーザー同士の交流の頻度が高いか、低いかで決まります。
例えば、わたしたちがよく使うYouTubeは、ソーシャルメディアですが、SNSではありません。YouTubeは主に動画をアップロードして、不特定多数のユーザーに動画を見てもらうためのプラットフォームです。動画を見たユーザーは確かに動画のコメント欄に自分の考えや意見、感想などを投稿できます。しかし、ここでは他のユーザー同士との交流はあまりありません。基本的には動画を視聴したユーザーが動画の感想などを投稿して、それに対して動画を公開したチャンネル運営者が返事をする程度です。
Yahoo!知恵袋もソーシャルメディアの一種ですが、SNSではありません。ここでもユーザー同士の交流はあまりなく、主に質問と回答の形式で利用されます。ユーザーは質問をプラットフォームにアップロードし、他のユーザーがそれに答えます。一回の返答で交流が生まれる程度で、何回も繰り返しやりとりすることは少ないです。
一方、SNSでは、ユーザー同士の交流が活発なのが特徴です。例えば、X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LINEなどがSNSに該当します。これらのプラットフォームでは、ユーザー同士が質問したり、意見を交換したり、誘い合ったりすることが一般的です。
これがソーシャルメディアとSNSの違いです。
こうしたことを理解して上で、自社が投稿したコンテンツを不特定多数のユーザーに見てもらうだけで良い場合はYouTube等のソーシャルメディアを使い、ユーザー同士の活発な交流を促したい場合はSNSを使い集客活動をすることが可能になります。
12. 動画共有サイト
代表的な動画共有サイトには動画共有サイトとしては、YouTubeの他にも、ニコニコ動画、Vimeo、デイリーモーションなどがあります。
TikTokは最近人気を集めているプラットフォームで、SNSというよりはYouTubeに近い純粋なソーシャルメディアと位置づけられています。TikTokではユーザーがアップロードする動画が主で、プラットフォームに積極的に情報を発信するアップロードユーザーと、動画を見ることを楽しむダウンロードユーザーが存在します。
動画は現代のウェブにおいて非常に重要なコンテンツとなっており、テキストと比較して情報をより豊富に供給することが可能です。画像、音声、演出による様々な情報が含まれており、一説には動画が提供する情報量はテキストの1000倍にもなると言われています。動画共有サイトは、没入感が高く、情報を楽しく効果的に伝えることができるため、非常に有効なツールとなっています。動画をマーケティングで使うことはTVのCMを利用するのと同等かそれ以上の効果を出すことが可能です。
13. モバイルサイト
モバイルサイトとは、スマートフォンなどのインターネット接続が可能な移動体通信端末(モバイルデバイス)を使うユーザーが、問題なくウェブサイト上のテキストや画像を見ることを可能にする、モバイルユーザーのために最適化されたウェブサイトのことを指します。
モバイルサイトは、インターネットとウェブの利用に革命をもたらした重要な要素です。2005年くらいまでは限られた層の人々しかウェブを使ってはいませんでした。主に仕事で使う人、学校で部分的に使う人、パソコンに詳しい人、デザイナーや建築関連のプロフェッショナルなどがウェブを使用していました。しかし、一般の人々にはあまり普及していませんでした。
インターネット接続には、かつては大きなモニター、本体、キーボード、マウス、プリンターなど、電子レンジや小型冷蔵庫のように大きなサイズのパソコンが必要でした。それが、ノートパソコンの登場により、少しは手軽になりましたが、それでも多くの人にとって馴染みにくいものでした。
しかし、スマートフォンの普及によって、誰でも気軽にドコモショップやauショップなどで小さなデバイスを手に入れ、簡単にインターネットを利用できるようになりました。これに伴い、モバイルサイトも同時に普及しました。これにより、ウェブの利用が大衆化し、より多くの人々がオンラインの世界にアクセスできるようになりました。それにより多くの企業がウェブサイトを立ち上げ、そこから人々にとって便利なウェブサービスを提供するようになりました。そしてそれが相乗効果を生みだし、ウェブが一気に大衆化するようになりました。
モバイルサイトは、使いやすさを重視したデザインが特徴です。ハンバーガーメニューやポップアップメニューのようなものは、スマートフォンの小さな画面でも簡単に操作できるように設計されています。
これにより、片手や指一本で情報を検索したり、オンラインショッピングを楽しむことができるのです。モバイルサイトは、私たちの生活に溶け込み、日常のインターネット使用をより便利で快適なものに変えています。
14. モバイルアプリ
インターネットの世界は、スマートフォンとモバイルインターネットの登場で大きく変わりました。今では、ほとんどの企業のウェブサイトはスマートフォンに対応しており、PC版とスマートフォン版の両方を持っているのが普通です。この技術の進歩は絶え間なく続き、ユーザーの経験をどんどん豊かにしています。そして、モバイルアプリの登場も、この進化の一部です。モバイルサイトとアプリが普及することで、私たちの生活はより便利になり、情報へのアクセスも簡単になっています。
モバイルサイトが登場した当初、それが最終的な目的地のように思われましたが、その後モバイルアプリが現れ、さらに進化を遂げました。例えば、JR東海の新幹線予約アプリやタクシー配車アプリ「GO」は、予約や決済を手軽に行えることを示す良い例です。これらのアプリの利点は、ブラウザを開かずに専用アプリをタップするだけでさまざまな機能やサービスにアクセスできる点にあります。これにより、ユーザーにとっての快適さや利便性が大幅に向上しています。モバイルアプリは、私たちのモバイルデバイスの使い方をより便利で効率的なものに変えているのです。
15. ホームスピーカー・スマートテレビ
ホームスピーカーの世界では、AmazonのAlexaが特に注目されています。Alexaは、単に音楽を流すだけでなく、天気予報の確認や目覚ましとしての使用、さらにはAmazonでの商品の注文や配達状況の通知など、日常生活に便利な機能を数多く提供しています。
また、テレビの進化にも目を向けるべきです。今のテレビは、単に番組を見るためのものではなく、「スマートテレビ」としての役割を果たしています。NetflixやAmazon Primeなどの動画ストリーミングサービスが組み込まれているため、様々な映画や音楽、その他のコンテンツを自宅で楽しむことができます。これらは元々インターネット上のサービスで、スマートテレビはこの技術を取り入れて、新たな視聴体験を提供しています。
以上が、ウェブ上に生まれた15のサービスです。これらの中にはウェブマーケティングをするためにすぐに自社で利用できるものもあるでしょう。また今すぐは無理でも、きちんと計画を立てれば活用できるものもあるはずです。
次回の記事からはこれら15のサービスの1つ1つを検証します。