今回は、NNTPに関して解説します。NNTPとは、Network News Transfer Protocol(ネットワークニューストランスファープロトコル)の略で、Usenetニュースグループと呼ばれる掲示板システムで記事を配信、転送、保存、取得するために使用されるプロトコルです。Usenetはインターネットの初期から存在する、分散型のメッセージボードシステムで、様々なトピックに関するニュースグループが存在していました。
これはインターネットを活用した技術の1つで、文字通りニュース記事を配信するための通信プロトコルです。過去を振り返ると、現代のようにヤフーニュースや他のニュースサイトが存在しなかった時代がありました。その頃、人々はNNTPのクライアントソフトを使ってUsenetニュースグループを見ていました。Usenetニュースグループにはニュースだけでなく、たくさんのトピックのフォーラムが立ち上がっており人々はそこで情報交換やコンテンツの公開、議論をしていました。
私自身もNNTPクライアントソフトを使用していたことを覚えています。当時は、現代のようなブラウザーが普及していなかったため、ネットスケープナビゲーターなどのブラウザーが重宝されていました。ネットスケープナビゲーターは、当時最強と言われたブラウザーでしたが、頻繁にクラッシュすることでも知られていました。このブラウザーは、インターネットでの様々な作業を行うための万能ソフトで、ウェブサイト閲覧、メールソフト、そしてニュースを閲覧するための機能を備えていました。
私たちは今では当たり前のようにウェブサイトを閲覧できますが、NNTP時代の技術は、当時のインターネットユーザーにとって重要な手段でした。これらの初期の技術が、現代のインターネットの発展の基盤を築いたことは間違いありません。
NNTPのプロトコルを利用することで、世界中のメディアや個人が趣味でアップロードした様々なニュース記事や画像にアクセスすることができました。私がよく見ていたのは、ニュースという名の画像コンテンツで、ガンダムや宇宙戦艦ヤマトなどのアニメ画像に夢中になっていました。当時は、朝日新聞や毎日新聞のような伝統的なニュースとは異なり、ニュースの形態が多様化していました。
NNTPは、誰でも簡単にアカウントを作成し、情報を発信できる自由度の高い環境を提供していました。私自身は発信する側ではなく、主に受け取る側のユーザーとして利用していましたが、この技術の存在が現代のSNSの原型となったことは間違いありません。NNTPは、ユーザーに情報の発信者となる力を与え、インターネットの使い方に大きな変革をもたらしたのです。
Usenetニュースグループなど、NNTPによって構築されたサービスは、1980年代後半から特に活発に使用されていました。私自身もこのサービスを活用しており、文字や画像を含む多様な記事にアクセスし、世界中の新しい情報に触れていました。当時はまさに不思議な世界観を持つ、刺激的な環境でした。
しかし、1990年代に入ると、NNTPを使ったUsenetニュースグループやその他のサービスは徐々に使われなくなりました。当初は大学や研究機関、企業の研究所などで情報交換や議論の場として重宝されていましたが、時代の変遷と共に廃れていったのです。そして、今日ではSNS(ソーシャルネットワーキングシステム)がこれらの役割を引き継いでいます。Instagram、Facebook、X(旧Twitter)、Pinterest、LINEなど、多様なSNSがこの領域を占めるようになりました。
また、ニュースの領域では、各新聞社のウェブサイトが充実し、今では無料で多くのニュースが閲覧可能になっています。さらに月額料金を支払えば、さらに多くの最新記事にアクセスできるようになっています。その結果、電車や町中で紙の新聞を読んでいる人たちを見にすることはほとんどなくなりました。代わりに人々は下を向いてスマホに写っている無料や有料のニュースを見るようになりました。
このように、新しい技術が台頭することで、旧来の技術は廃れていくものです。便利なものに人は自然と流れるため、現代では多くの人がSNSやニュースサイトを利用していますが、かつてはNNTPがそのような役割を果たしていたことを覚えておきましょう。