フリマアプリとスマホファースト時代の始まり

ウェブの世界は常に変化しています。以前はネットオークションが一世を風靡していましたが、時代の流れは止まらず、新たな動きが出現しました。それは、2013年以降の、フリマアプリの登場です。

「メルカリ」というフリマアプリの登場により、楽天オークションは人気を失い、フリマアプリ形式の「ラクマ」へと変化しました。これにより、メルカリを中心としたフリマアプリがネットオークションと競合する形で台頭し、多くのユーザーを引きつけるようになりました。この流れは、かつて天下を取ったと思われたYahoo!オークションさえも、ユーザーを失う結果となりました。

《メルカリ》

目次

ネットオークションとフリマアプリの違い

ネットオークションとフリマアプリは、いずれもオンラインで商品を売買するプラットフォームですが、運営の仕組みや目的、利用方法にいくつかの違いがあります。

1. ネットオークション(例:ヤフオク)

① オークション形式

売り手が商品を出品し、買い手は競り合いながら価格を上げていく方式です。最終的に最高額を提示した人が商品を購入することができます。

② 落札システム

一定期間内に価格が上昇し続け、オークション終了時点で最も高い金額を提示した人が落札者となります。希少価値のある商品やコレクターズアイテムなど、市場価値がはっきりしない商品の取引に適しています。また、出品者と落札者間で直接取引が行われることが多く、商品の価値を見極める能力や、オークションのルールを理解する必要があります。

2. フリマアプリ(例:メルカリ)

① 固定価格販売

売り手が商品に価格を設定し、買い手はその価格で直接購入することができます。

② 簡易的な取引プロセス

価格交渉が可能な場合もありますが、基本的には出品されている価格での即時購入が主流です。

③ 幅広い商品の取引が可能

新品から中古品、日用品からアパレル、電子機器まで、あらゆる種類の商品が取引されています。

④ ユーザーフレンドリー

出品や購入プロセスが簡単で、オークションのような競り合いがないため、利用しやすいプラットフォームです。

3. 主な違い

① 取引形式

ヤフオクは競り合いによる価格決定(オークション形式)、メルカリは固定価格または価格交渉による直接購入です。

② 商品の種類

ヤフオクは希少価値のあるものや特定のコレクターズアイテムに適していることが多く、メルカリは日常的な品から新品・中古品まで幅広く対応しています。

③ 利用のしやすさ

メルカリはシンプルで直感的な取引が可能で、ユーザーにとって利用しやすい設計です。ヤフオクはオークションのルールや戦略を理解する必要があり、やや複雑です。

どちらのプラットフォームも、売り手と買い手が直接やり取りを行う点では共通していますが、取引の仕組みと目的において大きな違いがあります。どちらのプラットフォームを利用するかは自社のニーズに合わせて決めましょう。

移り変わりの早いウェブの世界

ウェブの世界では、何かが勝利したと思った瞬間、既に新たな変化が始まっていることが多いものです。例えば、Googleがインターネットの世界を支配していると思われていた時期もありましたが、2022年11月には、ChatGPTの登場により、その地位が揺らぐ動きが見られました。一部の人々は「もうGoogleは不要ではないか」とさえ言い始めましたが、私は共存する道があると考えています。それでも、Googleの利用時間が減少することは確かでしょう。

このようにインターネットやウェブの世界は、常に変化し、進化しています。昨日までの勝者が今日は陰を潜めることも珍しくないのが、この世界の特徴です。フリマアプリの台頭も、この流れの一部であり、今後も更なる変化が期待されます。

スマートフォンの台頭とYahoo! JAPANの方針転換

インターネットの世界は、スマートフォンの普及によって大きく変わりました。特に、Yahoo! JAPANの変遷は、この変化を象徴しています。かつて、取引や情報検索にはパソコンが必要でした。電源を入れ、ブラウザを立ち上げ、YahooやGoogleで検索し、ログインしてようやく取引ができました。しかし、スマートフォンの普及により、このプロセスが劇的に簡素化されました。スマートフォンを取り出して数タッチで取引が完了する時代が到来したのです。

この変化を察知したYahoo! JAPANは、スマートフォンを中心としたビジネスモデルへの転換を図りました。当時の社長だった宮坂社長は「スマホファースト」という標語を掲げ、従来のPC中心のサービスから脱却し、スマートフォン事業を最優先に据える方針を打ち出しました。

この方針転換は、Yahoo! JAPANにとって成功をもたらしました。一時は衰退するかと思われたYahoo! JAPANは、スマートフォンの時代に適応するため、多数のアプリを立ち上げ、積極的にユーザーにアプリのダウンロードを促しました。その結果、多くの人々がYahoo!の天気予報アプリやポータルサイト、路線検索、Yahoo!オークション、Yahoo!ショッピングなどのアプリをスマートフォンにインストールするようになりました。

このようにして、Yahoo! JAPANは見事にスマートフォンへとシフトしました。これは、一般に「モバイルシフト」と呼ばれる、モバイル社会への適応という大きな流れの一部です。スマートフォンの台頭は、インターネットの利用方法を根底から変え、多くの企業に新たな戦略を迫ったのです。この流れの一つとしてフリマアプリの台頭があります。

日本国内のフリマアプリ市場の状況

日本国内のフリマアプリ市場は近年、大きな成長を遂げています。特にメルカリ、ラクマ、Yahoo!フリマが主要なプラットフォームとして知られており、各アプリは異なる年齢層やユーザー層に人気があります。2021年のデータによると、フリマアプリのユーザーは男女比がほぼ半々で、特に40代が多く利用していますが、アプリによっては20代もしくは50代以上のユーザーが多いことがわかります。

《ラクマ》

《Yahoo!フリマ(旧PayPayフリマ)》

フリマアプリの市場は、メルカリが流通総額で業界トップの位置を確立している中、PayPayフリマやラクマも特定のセグメントで人気を博しています。市場全体としては、CtoCのEC市場規模が2016年の3,052億円から急速に拡大しており、フリマアプリの利用者数も増加しています。

フリマアプリは消費者同士の売買を促進するプラットフォームで、特にメルカリは出品から購入までが非常にスムーズで、ユーザーは主に女性や主婦が多いとされています。メルカリでの取引の多くはスマートフォンアプリを通じて行われ、レディース商品やエンタメ・ホビー関連商品が特に人気です。

このように、日本のフリマアプリ市場は多様なユーザー層を獲得し、様々な商品が売買される活発な市場となっています。将来的にはさらに市場が成長することが予測されます。企業のウェブマーケティング担当者はこの市場に引き続き注目をすべきです。

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ウェブマスター検定公式テキストの著者。他にSEO検定公式テキスト、世界一やさしい ブログSEOの教科書 1年生等、SEO、ウェブマーケティングの著書多数。
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